2021年1月、日本発のプロダンスリーグ「第一生命 D.LEAGUE」が開幕した。初年度は9チームが加盟し、6月までの半年間で覇権を争う。ルールも一から作り上げた画期的なリーグは、協賛やチームのオーナーに大手企業が名を連ねるなど、ビジネス面でも初年度から注目を集めている。
D.LEAGUEの初年度は、全て東京を本拠地として、複数のダンサーで構成された9チームが加盟。2021年1月から6月までに12ラウンドを行う。ラウンドごとに、各チームが8人編成で2分から2分15秒にかけてパフォーマンス。それを「ダンサージャッジ」と「エンターティナージャッジ」による審査と、アプリの有料会員による「オーディエンス投票」でポイント化し、順位を決定する。12ラウンドでの上位4チームがトーナメント形式のチャンピオンシップに参加し、シーズン覇者を決定する。
開幕戦は東京・有明のTOKYO ARIAKE ARENAで開催。新型コロナウイルス感染拡大の影響で21年3月3日に行われたラウンド5までは無観客で実施されたが、独自アプリでAR(拡張現実)やVR(仮想現実)を取り入れた映像を配信した。GYAO!をはじめ無料で見られるメディアでの配信や、YouTubeのアーカイブ映像など、気軽に見られるのも特徴。視聴者数は開幕から右上がりで増えてきている。
第一歩を堅実に踏み出したD.LEAGUEは、日本を代表するプロスポーツリーグになるためにどんな成長戦略を描いているのか。1992年にフルキャストを設立し、主にビジネス面のかじ取りを担うDリーグ代表取締役CEO(最高経営責任者)の平野岳史氏と、カリスマカンタロー名義でも活躍する実業家兼ダンサーの代表取締役COO(最高執行責任者)・神田勘太朗氏に話を聞いた。
D.LEAGUEが開幕して、2021年3月上旬時点(取材時)でラウンド5までを終えています。ここまでの手応えはいかがですか。
平野氏 当初の想定をはるかに超える視聴者数で、アプリのダウンロード数も予想以上です。あらためて、ダンスというコンテンツの魅力、マーケットの大きさを実感しているところです。手応えは十分です。
神田氏 見ている人を飽きさせずにファンを広げるという意味では、予想以上の健闘をしています。
平野氏 国内のダンスの競技人口は約600万人といわれています。サッカーで約750万人、野球で約730万人とされていて、ダンスはテニスやバスケットボールよりも競技人口が多い。さらに11年に小学校、12年に中学校でダンスが必修化されました。日本は、米国やフランスに並ぶ「ダンス大国」です。ただ、ダンスに詳しくない人たちにも分かりやすい形で、ダンサーが最終的に目標にできる場が無いという課題がありました。
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