“新生”Zホールディングスが2021年3月1日に発足。国内でトータル200以上のサービスを提供し、総利用者3億人超を抱える「巨大ITコングロマリット」が誕生した。GAFAやBATに対抗する第三極に向けて、どこに勝機を見いだしているのか。報道陣向けに開かれた戦略方針説明会で語られた内容からひも解く。

21年3月1日に開かれた戦略方針説明会では、Co-CEO(共同最高経営責任者)に就任した川邊健太郎氏(左)、出澤剛氏(右)の両名が登壇
21年3月1日に開かれた戦略方針説明会では、Co-CEO(共同最高経営責任者)に就任した川邊健太郎氏(左)、出澤剛氏(右)の両名が登壇

 ヤフーの親会社で「PayPay」「ZOZO」「アスクル」「ジャパンネット銀行」など様々なネット関連事業を手掛けるZホールディングス(ZHD)と、約8600万人もの月間利用者数を持つコミュニケーションサービスの雄であるLINEが、2021年3月1日に経営統合を完了。今後、売上収益(売上高)を数千億円積み増して23年度には2兆円を目指すと同時に、営業利益でも過去最高の2250億円という高い目標を掲げての船出となった。

 「ヤフーでもLINEでも、それぞれ単独ではできなかった新たな価値の創出に挑んでいく」。これまでLINEを率いてきた出澤剛氏は、川邊健太郎氏と共にZHDで代表権のあるCo-CEO(共同最高経営責任者)に就任。報道陣向けに開かれた戦略方針説明会で意気込みをこう話した。川邊氏も、「互いが持つアセット(資産)を持ち寄ったからこそ実現可能な、世界初と結果的に呼ばれるような新しいサービスを21年中にも出していきたい」と鼻息が荒い。

「GAFA、BATに対抗する第三極を作る」

 そもそも両者が経営統合に動いた背景には、米国「GAFA」や中国「BAT」と呼ばれるITプラットフォーム企業の急成長に対する、強烈な危機感を双方が持っていたことがある。19年11月に経営統合に関する基本合意書をを交わした際、その狙いについて川邊氏は「米中に次ぐ第三極を作る」と明かしている。

 では新生ZHDは、本当にGAFAやBATに対抗し得る強力な「日本版プラットフォーマー」へと脱皮を遂げることが可能なのだろうか。

 戦略方針説明会では、両社の最大の強みである「検索・ポータル」「広告」「メッセンジャー」を根幹領域と位置付けたうえで、データやAI(人工知能)をフル動員して「コマース(EC)」「ローカル・バーティカル(飲食予約や旅行予約)」「フィンテック」「社会(行政や防災、ヘルスケア)」を新たな注力領域に掲げ、それぞれについての事業イメージを紹介した。

 具体的な戦略・戦術について多くが語られたわけではないが、両Co-CEOが明かした発言の数々をひも解くと、大きく4つのポイントに勝機を見いだしていることが浮かび上がる。以下順番に紹介していこう。

<勝機1>「ロイヤリティープログラムを統合し、より多くのより便利なお買い物体験ができるようにする」(出澤氏)

 1点目が、ポイントなどを蓄積・利用できる「ロイヤリティープログラム」についてだ。ヤフー、LINE、PayPayのロイヤリティープログラムを将来的に統合する計画について、出澤氏が一言だけ触れたシーンがあった。

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