KDDIがスマホ料金の新プラン「povo(ポヴォ)」を発表し、通信4社の低価格プランが出そろった。KDDIは他社より500円安い月額2480円の設定が目を引くが、実は通話の“かけ放題”が含まれないというからくりがある。各社の料金・サービスの違いと、注意点をチェックした。
KDDI(au)の「povo」は、2020年12月以降に発表されたNTTドコモの「ahamo(アハモ)」、ソフトバンクの「SoftBank on LINE」に対抗する新料金プランだ。政府からの携帯電話料金引き下げ要請を受け、通信大手3社は相次ぎ、オンライン手続き専用の新ブランドによる低価格プランを打ち出すこととなった。先行したドコモ、ソフトバンクの後に発表したKDDIは今回、両社より500円安い月額料金で勝負をかけてきた。
いずれも21年3月から提供が開始される3社の新たな料金プランに、既に提供されている楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT V」を加えた、4つの低価格プランの違いを下表にまとめた。
KDDIの月額料金は2480円(税別、以下同)と、他の3社より500円安い。ただし、これにはちょっとした落とし穴がある。他社にある国内音声通話の“かけ放題”サービスが、基本料金には含まれていないのだ。
ドコモとソフトバンクは1回5分までの通話なら何度でも無料、楽天モバイルは専用アプリ「Rakuten Link」を利用すれば無制限で話し放題というサービスが、月額2980円に含まれる。一方、KDDIは、ドコモやソフトバンク並みに通話を1回5分まで無料とするには月500円のオプション料金がかかる。オプションを付けた場合は計2980円で、結果的には4社が横並びになる。
もっとも、「音声通話はほとんどしない」「LINEの通話機能しか使わない」といった利用者も若年層を中心に増えている。音声通話をしないぶん料金を抑えるという選択肢がある点で、KDDIの新プランに魅力を感じる人は少なくなさそうだ。一方で、5分を超える長めの通話をする機会が多い人は、国内通話無制限の楽天モバイルならそのメリットを生かしやすい。
月額料金に含まれるデータ通信の容量は、大手3社はいずれも月20GBで同じ。画像や動画など大きなデータを送受信する際にはWi-Fiにつなぐように気を付ければ、普段使いは月20GBで事足りるという人も多いだろう。ソフトバンクには、LINEの利用はノーカウント(月間データ容量を消費しない)という利点もある。
楽天モバイルは自社の楽天回線エリアならデータ通信が無制限だが、パートナー回線エリア(au回線によるローミング)では月5GBに限られる。楽天回線の整備が進んでいる主要都市部に住む人と、そうでない人とで使い勝手の評価はかなり分かれるところだ。
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