「Go Toイートキャンペーン」が、2020年10月にスタートする。新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けている飲食業界を支援する国の施策で、お得な食事券を発行したり、ネットで食事の予約をした人にポイントを付与したりするものだ。消費者は経済メリットを得て食事を楽しむと同時に、飲食店の応援もできる。

Go Toイートには2つの方式がある。1つは、都道府県単位の事業体が発行するプレミアム付き食事券で、その地域内のキャンペーン参加店舗で使用できる。もう1つはポイント付与。「ぐるなび」「食べログ」といった飲食予約サイト経由で対象店舗を予約して来店すると、次回以降の飲食代金に充てられるポイントがもらえる。
10月以降、コロナの感染状況が比較的落ち着いた地域でプレミアム付き食事券の発行を順次開始。1次公募の結果、大阪府や愛知県、埼玉県などの33府県・35事業体が選定されており、11月までには大半がスタートすると見込まれる。北海道や東京都、神奈川県などはここに含まれていないが、2次公募の審査を経て対象地域が今後拡大する見通しだ。
ネット予約によるポイント付与の方式も、10月以降に参加店舗の登録などの準備が整った飲食予約サイトで、都道府県ごとに感染状況を見ながら順次スタートする。食事券でもポイント付与でも、キャンペーンに参加する飲食店には、3密回避などのコロナ感染防止策を徹底したうえで、取り組み内容を店頭で掲示し、国の抜き打ち調査に協力することなどが求められる。
各地域で発行される食事券は、購入金額に25%のプレミアムが上乗せされる。例えば、1セット額面1万2500円分の食事券なら1万円で購入できる(購入1回当たり2万円が上限。購入回数に制限はない)。ポイントの場合は、ランチ時間帯は1人当たり500円分、ディナー時間帯(15時以降)は同1000円分のポイントが付与される(予約1回当たり10人分が上限)。食事券の発行とポイント付与は共に21年1月末まで、利用は3月末までだ。
ランチは2500円、ディナーは5000円が分かれ目
プレミアム付き食事券を使う場合は、飲食代金が実質2割引になると考えればいい。例えば、1人当たり1500円のランチは、食事券を使うと実質支払額は1200円になる。一方、ネット予約するとランチで500円分のポイント付与があり、その分を差し引くと実質支払額は1000円になる。このケースでは、ネット予約を使う方が有利だ。
一方、1人当たり3500円のランチの場合、実質支払額は食事券が2800円、ネット予約が3000円となり、食事券の方が有利になる。ランチ時間帯とディナー時間帯の実質支払額の例を示したのが次の表だ。
ランチは1人当たり2500円で両方式の実質支払額が同じになり、それより飲食代金が少なければネット予約が得に、多ければ食事券が得になる。ディナーはネット予約でのポイント付与が1000円分に増えるため、分岐点が1人当たり5000円に上がる。割引率で考えれば、飲食代金が少ないほどネット予約が有利、多いほど食事券が有利だ。
ただし、キャンペーン参加店が食事券とネット予約の両方に必ずしも対応するわけではない。対応の判断は店舗次第で、どちらか一方式のみというケースもある。また、両方式に対応する店舗でも併用はできない。飲食代金をある程度想定したうえで、利用する方式や店舗を決めるといい。
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