新型コロナウイルス感染拡大の影響で、意外なグッズに人気が集まっている。北見ハッカ通商(北海道北見市)の「ハッカ油」が、それだ。汗ばむ陽気が続き始めた2020年5月ごろ、マスクに吹きかければ冷涼感を与えてくれるとして話題になり、気温が上昇するとともに売り上げもぐんぐんと伸ばしている。
「今年は例年の3倍程度の勢いで売れている」。北見ハッカ通商のハッカ油をオープン初期から取り扱う雑貨店「神保町いちのいち神保町店」の担当者は、2020年8月に入った今も購入個数制限をかけるほどハッカ油が人気だと話す。そもそもハッカ油は同店の年間売上数ランキングで1位になったこともある定番の人気商品。それがここ数カ月は、連日のように多くの客がハッカ油のコーナーを訪れ、商品を物色する光景が当たり前になったという。
様々なタイプがある中で、圧倒的に売れているのはマスクに吹きかけやすいスプレータイプだ。神保町いちのいちは都内に6店舗あり、多い日には全店で1日約1000本ずつ売れるが、7月に入ってからは品切れが続き仕入れが追い付かない状況だ。
ヒットしたきっかけは、マスクにハッカ油をスプレーで吹き付けると冷涼感が得られるとSNSやテレビで紹介されたことだった。これは、もともと花粉症に悩むマスクが必需品の人々の間ではよく知られていたテクニック。ただ、コロナ禍でマスクを余儀なくされている多くの人々が、気温が上がるにつれ装着に不快感を抱くようになった。少しでも息苦しさを和らげたいと効能が口コミで広がり、多くの人が手を伸ばした格好だ。
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