日本電産・永守イズムで変革に挑む京都先端科学大学から、組織改革・人材改革の秘密をひも解く本連載。第6回は前回に引き続き、ゼロから工学部を立ち上げた田畑修氏に迫る。この大学が目指す、そして永守氏が期待する実践力のある若者を育てる日本初の「キャップストーンプロジェクト」とは何か。
- 通過儀礼的な卒業研究を廃し、実践力を徹底的に追求するカリキュラムに
- 日本初の本格的キャップストーンプロジェクトで実社会を早期から体感
- 形だけの産学連携は排除。協力企業に金ではなく人手や労力の拠出を求める
日本電産会長CEO(最高経営責任者)・永守重信氏の肝煎りで2020年4月に誕生した京都先端科学大学の工学部。実践的なモーター工学を学ぶ日本で唯一の工学部として注目を集めている。社会でその力を発揮する、実践力のある人材を育てることに重きを置いているのが特徴だ(関連記事「元・京大教授が挑む革命 求めるのは“ストリートスマートエンジニア”」)。
その人材育成の目玉となるのが、「キャップストーンプロジェクト」。様々な企業から直面する課題を提示してもらい、チーム体制で解決を目指すプロジェクトであり、機械、電気、精密機器関連を中心とした50社を超えるメーカーが参画する。
キャップストーンとはピラミッドの頂点に最後に載せる石のことで、学問の総仕上げとして実施されるプログラムを指す。「海外、特に米国の大学では実施例が多く、トップスクールであるほど導入されている」(田畑氏)。だが、日本の工学部で本格的に導入するのは同大学が初だ。大学における3、4年次に卒業研究(卒研)に代わるものとして実施。企業のニーズに応えることで社会と触れ合う、まさに究極のインターンシップといえる。
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