京都先端科学大学の改革から、永守流の組織改革・人材改革の秘密をひも解く本連載。第3回は、同大学を運営する学校法人永守学園の副理事長、浜田忠章氏に聞く。元・日本電産取締役専務執行役員で、永守氏の下でM&Aや人事を担ってきた改革請負人。変革を生む組織をどうつくるのか、永守改革の神髄に迫る。

浜田忠章氏。学校法人永守学園副理事長。1971年、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。2000年、日本電産入社。海外事業管理部長、常務取締役などを経て、09年より取締役専務執行役員。役員として、人事部・人材開発部の統括、経営企画・海外事業管理部等を担当する。17年3月に日本電産を退職後、同年4月より前身の京都学園大学・非常勤理事に。18年より現職
浜田忠章氏。学校法人永守学園副理事長。1971年、三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。2000年、日本電産入社。海外事業管理部長、常務取締役などを経て、09年より取締役専務執行役員。役員として、人事部・人材開発部の統括、経営企画・海外事業管理部等を担当する。17年3月に日本電産を退職後、同年4月より前身の京都学園大学・非常勤理事に。18年より現職
今回の改革ポイント
・1年をかけて現場をじっくり見て、働く人の様子や仕組みを徹底的に探る
・少人数のランチ会でビジョンを伝え、さらに現場スタッフの本音や不平不満も聞く
・「大きなビジョンを、小さなタスクに」。トップのメッセージを行動目標に落とし込む

 「本物の実学を学ぶ、今までにない大学を創る」と日本電産会長の永守重信氏が改革を断行する京都先端科学大学。理事長の永守氏の下で学術面を中心に改革をけん引しているのが前田正史学長だ(詳細は連載第1回「カリスマ経営者永守氏と元東大副学長が最強タッグ 『大学を壊す!』」)。

新型コロナウイルスの影響により、授業はオンラインなど遠隔で実施中。5月にはウェブでオープンキャンパスを実施した。6月、7月にもオープンキャンパスを予定
新型コロナウイルスの影響により、授業はオンラインなど遠隔で実施中。5月にはウェブでオープンキャンパスを実施した。6月、7月にもオープンキャンパスを予定

 実は、この大学にはもう1つ極めて重要な「副理事長」というポストがある。多忙を極める永守理事長の“現場代行者”として、経営全体の指揮を執る人物。それが副理事長を務める元・日本電産取締役専務執行役員の浜田忠章氏だ。

 旧三菱銀行出身の浜田氏は、2000年に経営企画部長として日本電産に入社。その直後からM&Aの責任者として実務面を担当した。守秘義務が絶対条件のM&Aにおいて契約から調印に至るまでを永守氏と直接連携して進めるなど、入社時から一部長でありながら永守氏の直下に。その後も米国子会社の日本人トップを務め、永守氏が訪米した際のサポート役として、また帰国後は人事部・人材開発部統括など経営管理部門を指揮する役員として約17年間、永守氏を支えてきた。「これだけ長く理事長の下で仕事をしていると、いやが応でも影響を受ける。知らず知らずのうちに永守イズムが刷り込まれていった」(浜田氏)。

 永守氏はかねてより、自分の考えや思想を理解する“分身”をつくることの重要性を説いている。世界40数カ国で事業を展開する日本電産を率いる永守氏は、文字通り世界を飛び回っている。しかし、自身が不在でも分身がいれば思い通りに改革は進む。「代行として現場のオペレーションを、責任を持ってやってほしい」と永守氏に命じられ、浜田氏はまさに影武者のごとく、経営の現場責任者として大学に送り込まれることになった。

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