『2025年、人は「買い物」をしなくなる』(クロスメディア・パブリッシング)の著者でD2Cコンサルタントでもある望月智之氏が、毎回ゲストを招いて「デジタル×新しいビジネス×未来の買い物」を語り合う対談企画。今回は、全国累計6万人が受講する女性限定キャリアスクール「SHElikes」を運営するSHE CEO/CCOの福田恵里氏に、ミレニアル女性が抱える悩みと女性のキャリア形成について話を聞いた。※本企画は、ニッポン放送のラジオ番組「望月智之 イノベーターズ・クロス」(毎週金曜日21:20~21:40)との連動企画です。

福田 恵里(ふくだえり)氏(右)
SHE 代表取締役CEO/CCO
1990年生まれ。大阪大学在学中に、米国・韓国に留学。帰国後、ウェブデザイナーとして制作会社でインターンをする傍ら、初心者の女性限定のウェブデザインスクール「Design Girls」を立ち上げる。2015年リクルートホールディングスに新卒入社。ゼクシィやリクナビのアプリのUXデザインを担当。17年4月にSHE株式会社を設立。同社では取締役CCOとしてSHElikesの代表を務める。

望月 智之(もちづきともゆき)氏(左)
いつも取締役副社長
東証1部上場の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつもを共同創業。同社はEコマースビジネスのコンサルティングファームとして、数多くの企業に戦略とマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費の専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、ブランド企業に対するデジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。19年『2025年、人は「買い物」をしなくなる』、21年『買い物ゼロ秒時代の未来地図―2025年、人は「買い物」をしなくなる<生活者編>』を上梓。

望月智之(以下、望月) SHEは、ウェブデザインやウェブマーケティングなどさまざまなクリエイティブ系のスキルを学べる、女性のためのキャリア形成スクール「SHElikes(シーライクス)」を運営されています。さまざまなコミュニティーが世の中にはありますが、現在でも会員が約6000人もいるSHEのコミュニティーは熱量がかなり高く、生き生きとしているように思います。こちらのスクールには、どのような方が多くいらっしゃるのでしょうか?

福田恵里(以下、福田) メインとなる世代は、20代後半から30代前半の女性です。29.7歳が東京都の平均結婚年齢(i)なのですが、新卒で就職して数年働き、結婚や出産なども含めたライフイベントがある中で、「今のままのキャリアで本当にいいのだろうか」と一度立ち止まって考える女性が非常に多いです。

望月 明確な課題や目標があるというよりは、漠然とした不安を抱えた方が多そうですね。今まではそういった方々はどうしていたのでしょうか?

福田 今まではそういった漠然としたキャリアについて相談する先がほとんどなかったのだと思います。現状もそうですが、第1子出産における離職率は47%(ii)となっていて、約半分くらいの女性が出産を機に離職しています。20代、30代で自分のキャリアについて真剣に考える機会も相談先もない中で、出産や子育てを迎える前にスキルを身につけたり、働き続けられる職場を探すことができている人は多くありません。人生の選択肢がどんどん広がってきている中で、プライベートも含めた働き方をどう実現していくかに悩む「キャリア迷子モヤモヤ層」が増えてきたのだと考えています。

望月 世の中には、マーケティングやデザインの考え方やノウハウを教えるティーチング型のスクールが多いですよね。一方でティーチング型だと技術を習得すると卒業してしまうし、そもそもそこまで熱量の高いコミュニティーはつくりづらいように思います。SHEではどのようなことをされていますか?

福田 ミレニアル世代の女性が抱える悩みとして、「まず一歩踏み出せない」という現状があります。つまり、「何が自分に向いているのか、何が好きなのか」という根本が定まっていない方が多いので、ティーチングの前にカウンセリングを行うようにしているんです。ティーチングやコーチングはゼロをポジティブに変えていく手法だと思いますが、SHElikesにいらっしゃる方は、初めは「私なんか」と自分に自信がない方も多いので、自己肯定感を養いつつそこから引き上げていくという、ネガティブをまずはゼロにリセットしてからポジティブに持っていくようにしています。

福田氏によると、ネガティブな気持ちをまずはゼロにリセットすることが重要だという
福田氏によると、ネガティブな気持ちをまずはゼロにリセットすることが重要だという

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