『2025年、人は「買い物」をしなくなる』(クロスメディア・パブリッシング)の著者でD2Cコンサルタントでもある望月智之氏が、毎回ゲストを招いて「デジタル×新しいビジネス×未来の買い物」を語り合う対談企画。今回は、“韓流サードウエーブ”トレンドに向けて事業を展開するCoogee 代表取締役CEOの鈴木ヒロユキ氏に、クリエイターやインフルエンサーとのタイアップにおいて重要なことについて話を聞いた。※本企画は、ニッポン放送のラジオ番組「望月智之 イノベーターズ・クロス」(毎週金曜日21:20~21:40)との連動企画です。
Coogee代表取締役CEO
いつも取締役副社長
望月智之氏(以下、望月) Coogeeは、韓国を中心としたアジアの超有名モデルやクリエイター、インフルエンサーなどのタレント事務所という印象です。特にInstagramで180万人のファンを持つTaeri(テリ)さんや、元祖オルチャン(韓国で美少女を意味する俗語)として日本でも有名なYongee(ホン・ヨンギ)さんなどが所属していますよね。ただ、最近は自社でコスメなどの商品を出していたり、他企業とのコラボ商品を作っていたりします。その狙いは何なのでしょうか?
鈴木ヒロユキ氏(以下、鈴木) 所属するメンバーとともに、“売れるブランド”を意識して作っています。自社ブランドとしてはテリがプロデュースするコスメ「CILY(シリー)」やホン・ヨンギがプロデュースする「MilkTouch (ミルクタッチ)」や、元IZ*ONEでAKB48の本田仁美さんがプロデュースしたことで話題のコスメブランド「NOTONE(ノートーン)」など、10以上のコスメやアパレルなどのブランドを展開しています。また、他企業へのサービスとしては、こうした知見を生かしたブランディングのコンサルティングやキャステイングなどを行っています。
望月 有名人が自分のブランドを作ったり、企業とコラボして店を作っても、旬を過ぎるとあまり売れなくなり数年後に撤退、なんて話をよく聞きます。鈴木さんの売れるブランドとはどんな秘訣があるのですか?
鈴木 インフルエンサーの商品の場合、売り上げを伸ばし続けるには「商品力×露出量」をどれだけ上げられるかが重要だと考えています。
望月 D2C企業には、商品力はイマイチだけれども、世界観やストーリーを作り込み、露出量をウェブ広告運用によって確保して売り上げを伸ばしているところがあります。しかし、Coogeeのブランドはあまり広告を投下していないですよね。
鈴木 そうなんです。露出面をSNSと考えた場合、人がどういう時に商品を紹介したくなるかという気持ちをつかんでしまえば、広告でなくても情報は拡散していきます。例えば、どうすれば「誰かに話したくなるか」という、ツボを刺激するためのネタを考えることにすごく気をつけています。単なる広告ありきのコミュニケーションよりも、もっと入り口の部分、つまりどういう“ネタ”をお客さんに提供させられるかが重要なのではないかと思います。
望月 なるほど。それこそが商品力ということですよね。多くのメーカーは機能、D2Cは世界観、そしてCoogeeはちょっと話したくなるネタ、ということを商品力として重視しているんですね。
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