『2025年、人は「買い物」をしなくなる』(クロスメディア・パブリッシング)の著者でD2Cコンサルタントでもある望月智之氏が、毎回ゲストを招いて「デジタル×新しいビジネス×未来の買い物」を語り合う対談企画。今回は、ダロワイヨジャポン代表としてマカロンのサブスクサービスなどの新しい取り組みに挑戦している吉岡友紀子氏を招き、ブランドを守りながらも時代に対応させていく菓子のコミュニケーションについて話を聞いた。※本企画は、ニッポン放送のラジオ番組「望月智之 イノベーターズ・クロス」(毎週金曜日21:20~21:40)との連動企画です。
ダロワイヨジャポン 代表取締役社長
いつも取締役副社長
望月智之氏(以下、望月) 吉岡さんは、不二家から同じグループ会社であるダロワイヨジャポンの代表に就任されました。不二家グループ企業の中にはB-Rサーティーワンアイスクリームなどがありますが、不二家はファミリーや若年層向けに展開されているイメージです。一方でダロワイヨというと高級マカロンが代表的な存在ですが、ハイブランドのコミュニケーションってやはり他の商材とは異なりますか?
吉岡友紀子氏(以下、吉岡) 伝統と新しさのバランスは非常に意識しています。「ダロワイヨ」はフランスのブランドですが、マカロンだけでなくケーキやパン、高級総菜なども展開しています。どれか1つの商材に絞って販売するのではなく、マカロンやケーキを販売している“ダロワイヨらしさ”をなくさないようにすることにも気を使っています。
望月 確かに商品をマカロンだけにすれば、イメージはつきやすくなりますし、コミュニケーションは簡単になるかと思いますが、あえてやらないのですね。
吉岡 そうです。フランスには、料理・食事と文化・歴史は密接に関わっているという「ガストロノミー」という考え方があります。我々は単なる商品ではなく、フランスやダロワイヨの文化・歴史を提供していると考えています。
望月 なるほど。そこの根底はしっかりと守りつつ、例えばマカロンのサブスク「My Maca(マイマカ)」や、フランス版の弁当店「DALLOYAU Le BENTO(ダロワイヨ ル ベントー)」など新しいことに挑戦していますよね。日本のトレンドや現状にうまくフィットさせているなと感じます。
吉岡 そういう点では日本へのローカライズ化は進めています。もともとはラグジュアリーブランドとして成長してきましたが、2018年に不二家が日本における商標権を取得したことをきっかけに、より柔軟に展開できるようになりました。
望月 ある程度自由に展開できるようになったからこそ、きちんと伝統と新しさのバランスを意識しているんですね。ちなみに「BENTO」って日本語ですよね?
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