『2025年、人は「買い物」をしなくなる』(クロスメディア・パブリッシング)の著者でD2Cコンサルタントでもある望月智之氏が、毎回ゲストを招いて「デジタル×新しいビジネス×未来の買い物」を語り合う対談企画。今回はファンに熱烈に支持されるアパレルブランドを創り上げたALL YOURS(オールユアーズ)の木村まさし氏を招いて、「with C」を意識したブランド構築について話を聞いた。※本企画は、ニッポン放送のラジオ番組「望月智之 イノベーターズ・クロス」(毎週金曜日21:20~21:40)との連動企画です。
オールユアーズ代表取締役
いつも取締役副社長
望月智之氏(以下、望月) 苦境と言われるアパレル業界において、オールユアーズは15年創業ながら強固なファンがついていますよね。Twitterでファンとの交流を活発にされていて、他にもクラウドファンディングやZoomを使った遠隔接客などにも取り組んでます。オールユアーズがこうまでファンに熱烈に支持される要因はどこにあるのでしょうか?
木村まさし氏(以下、木村) オールユアーズは、「to C」ではなくて「with C」だと言っています。お客様と向き合うのではなくて、“お客様と同じ方向を向こう”という意識を持っています。
望月 面白い視点ですね。提供者とお客様という関係ではなく、同じ目的を持った仲間になるということでしょうか。
木村 そうですね。ただ、よくそれはエンゲージメント(顧客とのつながり)だと思われるんですが、オールユアーズはエンゲージメントよりも、お客様をエンパワーメントすることを重視しています。つまり、オールユアーズを着ていることで、自分がやりたいことができる、元気づけられる、新しい自分を発見する、と感じるような状態を目指しています。
望月 なるほど。単なる服という領域を超えていますね。商品を買ってもらうために提供者と顧客の関係をより強化する、というのが一般的ですが、オールユアーズは自分や仲間がもっと自分らしくいられる、生活を良くするものは何なのかを発明していく、という感覚なのでしょうね。
木村 朝起きたら無意識に着てしまうような心地よさ。そうした部分には力を入れています。ただ、「着心地がよい」という文字だけだと他のアパレルブランドが言っていることと違いが分からないと思いますが(笑)。
望月 大阪のせっけんメーカーである木村石鹸工業とタイアップするなど、非常に面白い取り組みをされていますね。こうしたこともエンパワーメントという文脈からの発想なんでしょうか?
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