『2025年、人は「買い物」をしなくなる』(クロスメディア・パブリッシング)の著者でD2Cコンサルタントでもある望月智之氏が、毎回ゲストを招いて「デジタル×新しいビジネス×未来の買い物」を語り合う対談企画。今回は、花まる学習会代表の高濱正伸氏を招いて、コロナ禍におけるオンライン教育と高濱流の発想術について聞いた。※本企画は、ニッポン放送のラジオ番組「望月智之 イノベーターズ・クロス」(毎週金曜日21:20~21:40)との連動企画です。
花まる学習会代表
株式会社いつも取締役副社長
望月智之氏(以下、望月) 高濱さんは、4歳から小学生までの全国約2万人の子供を指導する学習塾「花まる学習会」を運営されていますが、コロナ禍で授業のスタイルはかなり変化したかと思います。
高濱正伸氏(以下、高濱) そうですね。花まる学習会では対面授業だけでなく、オンライン授業も行える態勢を作っています。オンライン授業には、感染対策ももちろんありますが、全国どこからでもアクセスできたり、動画なので気になった箇所を止めたり見返せたりと様々な良さがあると感じています。
望月 なるほど。知識の獲得という点ではオンラインは非常に有用だと思います。一方で教育という観点から見ると、オンラインでのやり取りはリアルに比べて希薄になる気がするのですが、工夫されたことはあるのでしょうか?
高濱 実はオンライン授業を取り入れる際に、毎日、毎朝などという「生活習慣」になるための仕組み作りに注力しました。特に小学校の低学年では、「学習」において習慣化することが重要なので、オンラインでもそれは実現できるように工夫したのです。
望月 オンラインで習慣化ですか?
高濱 そうです。宿題というほどではないですが、漢字や計算などの簡単なことを毎朝5分10分でも勉強する、という習慣付けを促しています。今までは1週間に1度、対面で会った時に「ちゃんとやってきてね」と言っていましたが、オンラインでは毎朝子どもたちに言うようにしています。こうしたちょっとした声がけをこまめにできるのが、オンラインの良いところだと思います。
望月 毎朝コミュニケーションが取れるというのは大きいですね。
高濱 そうなんです。「あれこれ言わなくても勉強するようになったので、すごく楽になりました」という保護者の方からの声が多いです。また、オンラインだと参加者全員の顔が画面全体に均等に表示されるので、講師が「今日はこの子に元気がないな」という細かいところに気付けるなどの発見もありました。
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