『2025年、人は「買い物」をしなくなる』(クロスメディア・パブリッシング)の著者でD2Cコンサルタントでもある望月智之氏が、毎回ゲストを招いて「デジタル×新しいビジネス×未来の買い物」を語り合う対談企画。今回は、チャンネル登録者数90万人以上を誇る美容クリエイターの「元美容部員 和田さん。」と対談。コスメ業界のインフルエンサーでもあり、小売店舗での販売経験を持つ和田さん。に小売販売の現場の声や、これからのオンライン接客の可能性について聞いた。※本企画は、ニッポン放送のラジオ番組「望月智之 イノベーターズ・クロス」(毎週金曜日21:20〜21:40)との連動企画です。
美容クリエイター、YouTuber
いつも 取締役副社長
望月智之(以下、望月氏) 和田さん。は元美容部員の経験を生かしたメーク動画が多くの支持を集めており、YouTuberとしても登録者数が90万人以上という美容業界のインフルエンサーです。今回はインフルエンサーを絡めた次世代店舗の可能性についてお聞きしていきたいと思います。まず、実店舗の現状をどう見ていますか?
和田さん。 美容部員の方からは、お客様が店舗に求めていることが変わってきているという話をよく聞きます。私が美容部員をしていた頃は、「私に似合うものを選んでください」というパーソナライズを求めるお客様が多かったのですが、今は指名買いでカウンセリングも必要としていない方が増えました。そういうお客様は、あらかじめネットで情報を集めて購入する商品を決めてから来店されるのです。
望月氏 店舗の重要な要素である「接客」が、本当に必要なのかということですね。「いつも」の調査でも、店舗へ行かなくなった理由として、6割以上が「店員の接客が面倒だ」と答えています。接客は今後どうあるべきだと考えていますか?
和田さん。 接客の要素として、カウンセリングと購買を一緒にしていることが私の中でしっくりきていません。その2つを分けたい、というのが自分の思いとしてあるんです。
望月氏 確かに、店舗は、「売るためにカウンセリングをやっている」という仕組みですよね。
和田さん。 そうなんです。そうするとお客様は満足しないし、「相談したら買わなきゃいけない」というプレッシャーを感じてしまいます。
望月氏 そうなると、気軽に相談しづらくなりますよね。和田さん。は「オンラインBAプロジェクト」というオンラインでカウンセリングを提供する施策を行っていましたが、それはまさしく「カウンセリング」を「買う」から分離していますよね。
和田さん。 その通りです。オンラインBAプロジェクトは、お客様と美容部員をマッチングさせる取り組みで、お客様の悩みに合わせて美容部員がオンラインで答えるというサービスです。20年6月に2週間限定で行いましたが約100人のお客様が参加されました。10月にも同じように2週間実施しています。
望月氏 「プロに相談したい」という要望はありそうですね。「買わなくてもいい」「売らなくてもいい」ということの可能性はもっと追求していくべきだと思います。その一つが、インスタライブなど、スタッフのデジタルでの発信だと思います。
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