『2025年、人は「買い物」をしなくなる』(クロスメディア・パブリッシング)の著者でD2Cコンサルタントでもある望月智之氏が、毎回ゲストを招いて「デジタル×新しいビジネス×未来の買い物」を語り合う対談企画。今回は、木村拓哉を起用したTVCMで話題となった男性用スキンケアブランド「BULK HOMME(バルクオム)」の創業者、代表取締役CEOの野口卓也氏を招き、メンズスキンケア市場を開拓したマーケティング手法について話を聞いた。※本企画は、ニッポン放送のラジオ番組「望月智之 イノベーターズ・クロス」(毎週金曜日21:20~21:40)との連動企画です。

野口 卓也(のぐちたくや)氏(左)
バルクオム 代表取締役CEO
慶応義塾大学環境情報学部中退。ITベンチャーや飲食店など複数の企業を立ち上げ、2013年4月2日にメンズスキンケアブランドBULK HOMMEを創業。17年、組織再編を経てバルクオムを設立、代表取締役CEOに就任。

望月 智之
いつも 取締役副社長
東証1部の経営コンサルティング会社を経て、「いつも」を共同創業。同社はEコマースビジネスのコンサルティングファームとして、数多くの企業に戦略とマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費トレンドの第一人者として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、ブランド企業に対するデジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。2019年に『2025年、人は「買い物」をしなくなる』を上梓(じょうし)。

望月 智之氏(以下、望月氏) バルクオムと言えば、木村拓哉を起用したCMが話題になりました。彗星(すいせい)のごとく現れたバルクオムによって男性化粧品市場に「メンズスキンケア」というジャンルが確立。その市場をバルクオムがけん引しているように思います。

野口 卓也氏(以下、野口氏) 法人化は2017年ですが、実は事業としては13年から行っていたため、自分の感覚としては“粘り勝ち”という印象です。大手企業がメンズスキンケアに参入するというのはよく聞きますが、スタートアップ企業で、しかも専業として何年も続けているのはバルクオムくらいだと思います。

望月氏 ウェブやマスメディアや店頭など、最近はどこででもバルクオムを見かけるようになりましたが、どういったマーケティングをされているのでしょうか?

野口氏 男性向けの市場では「何か行動したときに最初に目に留まる商品である」という状況を築くことが重要だと考えています。私はこれを“定番感”と呼んでいます。もちろんCMなどによる影響も大きいのですが、バルクオムのマーケティングの肝は、「いかに初回のトライアルに誘導し、定期購入につなげるか」なのです。

望月氏 なるほど。木村拓哉起用のCMなどブランディングや認知に注力しているというイメージがありましたが、ダイレクトマーケティングが肝なんですね。初回特典などの魅力でまずは試してもらって、そこから定期購入プランへとつなげていく、というネット通販を起点としたD2Cならではの考え方ですね。

野口氏 その通りです。様々なセミナーでも「バルクオムはダイレクトマーケティングでメンズスキンケアを最も試行錯誤してきたから伸びてきた会社だ」という話をしてきました。過去には初回購入に多くの特典を付けるというような売り方もしていました。これまでスキンケアをしたことがない人にも“刺さる”要素は何か。それらを模索することに命をかけているんです。