
外部との派手な提携は少ないものの、サービス向上に大きく力を注いでいるのがLINE Payだ。利用者にはポイントプログラムの拡充に加え、初年度3%と極めて高い還元率を誇るVisaカードを提供開始。加盟店にも売上金の現金化までの日数を短縮するなど、新たな施策を次々に打ち出す。LINE Payの今後の普及戦略を追った。
LINE Pay(東京・品川)が2020年5月に用意した2つの普及策とは、「『LINEポイントクラブ』の開始」(20年5月1日から)と、「『Visa LINE Payクレジットカード』の発行」(20年4月20日から申し込み受け付け)だ。
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LINEポイントクラブとは、ひとことで言うと、LINEのサービスのヘビーユーザーほどポイントがたまるポイントプログラム。それまでLINE Payユーザー向けのインセンティブプログラムだった「マイカラー」を終了して、LINEが新たに提供し始めたものだ。
LINEが提供するサービスを使うほどポイントがたまり、過去6カ月に得たポイントの総量で、レギュラーからプラチナまで4段階の「マイランク」がユーザーに設定される。ためたポイントは、LINE Payでの決済に1ポイント=1円で利用できるし、LINEデリマやLINE MUSICなどLINEの提供する複数のサービスでも使える。
ランクによって異なる特典が付与される
ランクによって、LINE Payへのチャージ&決済時にたまるポイントの還元率が異なるのは、これまでのマイカラーと同じ。大きく異なるのは、特典が付与されることだ。しかも、ランクアップするほど特典の中身がよくなる。
例えば「特典クーポン」。レギュラーランクだと1枚だが、プラチナランクだと10枚付与される。月によって内容は異なるが、コンビニエンスストアやドラッグストア、家電量販店といった幅広い業種の小売店が、100円OFFか5%OFFのどちらかの特典クーポンを提供中。ユーザーは好みの特典クーポンを付与枚数分だけ選んで使える。
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