au PAYの頼みの綱はPontaとローソン 最後発から追い上げなるか(画像)

KDDIのコード決済サービス「au PAY」とロイヤリティ マーケティング(東京・渋谷)の共通ポイント「Ponta」の連携が始まった。今後、au PAYでの決済額に応じてPontaポイントがたまる。特にローソンでの決済は最大8%と高還元。キャッシュレス市場では後発のau PAYは、9400万人超の会員を持つPontaを基盤に利用者拡大の攻勢に出る。

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au PAYアプリをPontaカードと連携すると(左)、同アプリからワンタップでPontaカードが表示できるようになる
au PAYアプリをPontaカードと連携すると(左)、同アプリからワンタップでPontaカードが表示できるようになる

 「決済の体験が多いほうが顧客のエンゲージメントは高まる。決済の利用を促すにはポイントが切っても切れない」。KDDIの執行役員で、パーソナル事業本部サービス統括本部副統括本部長兼通信とライフデザインの融合部長を務める多田一国氏は、2020年5月21日にオンラインで行われた説明会の冒頭、そう切り出した。

KDDIの執行役員パーソナル事業本部サービス統括本部副統括本部長兼通信とライフデザインの融合部長を務める多田一国氏
KDDIの執行役員パーソナル事業本部サービス統括本部副統括本部長兼通信とライフデザインの融合部長を務める多田一国氏

ローソンではずっと最大5%還元

 この説明会は、かねてより予定していたKDDI(au)の決済・ポイントサービスとロイヤリティ マーケティングの共通ポイント「Ponta」の連携開始に伴って開催されたもの。

 20年5月21日以降、KDDIは同社のポイントサービス「au WALLET」をPontaに統合。そのうえで、au PAYとローソン、Pontaのアプリをつなぎ、au PAYでの決済時にPontaポイントをためる・使う、ローソンやPontaのアプリからau PAYの決済用コード画面を表示するといったことができるようにする。

 同時に、思い切ったポイント還元策もスタートした。au回線のユーザーか否かにかかわらず、対象店舗ではPontaカードの提示とau PAYの決済で最大1.5%のポイントを還元。ローソンでの還元率はさらに高く、常時最大5%、3の付く日(三太郎の日)は最大8%を還元する。多田氏は「これはこれまでのような一時的なキャンペーンではない。ずっとお得に使ってもらうための施策」とユーザーのメリットを強調した。

最後発からの挽回をPontaに懸ける

 今回の連携の目的は、会員数2300万人超のau PAYと9400万人超のPontaの融合による顧客基盤の強化、ポイント活用機会の増加、それらによるau PAYの利用促進だ。

 au PAYはサービス開始が19年4月と、コード決済では後発。当初はau回線のユーザーを対象としていたが、19年8月からはキャリアフリー化に変針し、利用者拡大を推進してきた。その一環が20年2~3月に実施した「誰でも!毎週10億円!もらえるキャンペーン」。決済額の最大20%をau WALLETポイントで還元するというもので、「期初の予想をはるかに超える会員を獲得した」(多田氏)。

 続く20年4月には「生活応援企画」キャンペーンを展開。au PAY利用に伴うau WALLETポイント還元率を全加盟店で通常の2倍に、ローソン系列店で8倍にした。その結果、同月のau PAYの決済回数は同年1月の155%、ローソンに限っては189%まで伸びたという。少額利用が多いコンビニとau PAYの相性の良さを示した形だ。

 一方で、還元率が高いキャンペーンのときしかau PAYを使わない人がいるという課題も浮き彫りになった。キャッシュレス決済としては、PayPayや楽天ペイ、d払いのほうがユーザーや加盟店の拡大で先行しており、コード決済サービスとしての浸透度も高い。au PAYが後発ゆえの不利を覆すには、自社ブランドのポイントを捨ててでも強い顧客基盤を持つPontaと組むこと、決済場面として身近なローソンでの還元率を高く設定し、日常的なお得感を出すことで、存在感を発揮する必要があったのだ。

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