マイナポイント、JPQRは切り札か キャッシュレス拡大に高い壁(画像)

総務省が主導してキャッシュレス化を推進する「マイナポイント事業」が、2020年9月からスタートする。20年4月に実用的な統一コードになった「JPQR」 と併せ、キャッシュレス化を推進する力になり得るのか。そのための課題はどこにあるのかなどを探った。

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マイナポイント事業の概要を示すウェブサイト
マイナポイント事業の概要を示すウェブサイト

 2020年9月から始まる予定のマイナポイント事業とは、「マイナンバーカードの普及」と「キャッシュレス化の推進」という二兎(にと)を追う、主に総務省が主導する施策である。

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 ユーザーは、マイナンバーカードをまず取得し、そのマイナンバーカードを使って、専用サイト(「マイキープラットフォーム」)でマイナポイントを予約(=マイキーIDを設定)。さらにリストの中から利用するキャッシュレス決済事業者を1つ選ぶ(=マイナポイントの申し込み)。

 そのうえで、選択したキャッシュレス決済事業者のサービスに残高をチャージしたり、サービスを利用して商品やサービスを購入したりした場合、その決済事業者がユーザーに付与する通常のポイント形式で「マイナポイント」としてユーザーに付与される。

 付与されるポイントはチャージまたは購入した額の25%で、上限額は5000円。決済事業者がポイントを付与するが、キャッシュレス・消費者還元事業と同じく、その原資は国が負担する。

 旗を振る総務省だけでなく経済産業省も、総務省とは別枠で約20億円の独自予算を確保。マイナポイント事業を推進するキャッシュレス決済事業者に対して、キャッシュレス決済を可能にする端末の購入と設置に関わる費用を補助する。

 キャッシュレス決済事業者やマルチ決済端末を手掛けるゲートウェイ事業者などが端末費用の半額を負担し、かつ設置する店舗に対して十分なフォローをする場合に限り、残り半額を国(経産省)が負担するという内容だ。マイナポイント事業の期間中は事業者側が端末の所有権を保持し、店に貸与という形になるが、期間が終われば無償で店側に譲渡される。

20年6月から全国の店が申し込めるJPQR

 経産省や総務省は、マイナポイント事業に合わせて他の“カード”も用意している。キャッシュレス推進協議会が策定した決済用統一QRコード・バーコード「JPQR」が、キャッシュレス化を推し進めるもう一つの武器だ。

総務省が主導するJPQR普及のためのウェブサイト
総務省が主導するJPQR普及のためのウェブサイト

 JPQRとは、簡単に言えば、1枚で複数のQRコード決済事業者の決済に対応できるQRコードのこと。ユーザーが決済アプリでコードを生成して店に読み取ってもらう「利用者提示」方式と、店が用意したQRコードをユーザーが決済アプリを立ち上げたスマートフォンでスキャンして支払う「店舗提示」方式の両方に対応している。

 重要なのは、中小・零細の店舗が主に利用することになる店舗提示方式のほうだ。JPQRのQRコードを1枚店頭に用意すれば、マルチ決済端末や事業者ごとに異なる多数のQRコードを用意しなくても、店はQRコード決済全般に対応できる。決済手数料は決済事業者ごとに異なり、今のところ未定の事業者から期間限定でゼロという事業者、3%程度という事業者までさまざま。とはいえ、店にとっては初期投資や手間が抑えられ、導入のハードルが下がるわけだ。