トヨタ「ライズ」が好調 コロナでサブスクも伸びる【クルマ】(画像)

※日経トレンディ 2020年6月号の記事を再構成

2020年、新型コロナウィルスの感染が拡大する中での上半期ヒット商品と、ウィズコロナ時代の下半期ブレイク予測を総まとめした特集の第11回。クルマのジャンルでは、新型SUVのトヨタ自動車「ライズ」などが好調なすべり出しを見せたのに加え、新型コロナウィルスの影響でサブスクリプションサービスが伸長。下期は日産自動車が新たに投入するコンパクトSUVの注目度が高い。

 2020年に入り、新車登録台数(日本自動車販売協会連合会調べ。軽除く)で1月、2月と連続でトップに立ったのが、トヨタ自動車の「ライズ」だ。運転しやすいコンパクトサイズながら広い車内空間を実現し、近年人気の多目的スポーツ車(SUV)らしい力強いデザインがドライバーのハートを射止めた。19年11月の発売から1カ月で月販目標の約8倍となる3万2000台の受注を獲得。20年3月までの累計新車登録台数は5万台に迫った。

 同車はダイハツ工業のOEM(相手先ブランドによる生産)ということで当初は厳しい見方も一部あったが、普段使いにもレジャーにも力を発揮する用途の広さが消費者の心をがっちりとつかみ、大きなヒットにつながった。

 人気コンパクトカーの「フィット」(ホンダ)と「ヤリス」(トヨタ。「ヴィッツ」から車名変更)が、2月に相次ぎフルモデルチェンジしたのも話題。どちらも発売1カ月で月販目標を大きく上回る3万台以上の受注を記録し、自動車販売が全体として振るわない中での底上げ役を期待される。20年後半には、日産自動車からライズ対抗となる「キックス」、コンパクトカーの新型「ノート」も登場する見込みで、激戦は続きそうだ。

【2020年上半期ヒット大賞】発売3カ月目でトップを奪取
ライズ(トヨタ自動車)

 運転しやすい5ナンバーサイズでありながら、広い車内空間や荷物スペース、高い安全性能を確保。価格も税込み167万円台からと手ごろで、発売直後から爆発的な人気を得て、20年1月には「カローラ」を抜いて新車登録台数トップ(1万220台)に立った。OEM元となるダイハツの「ロッキー」の販売も好調で、コンパクトSUV人気を一段と加速させている。

「売れ行き」=売り上げの大きさやシェアの高さはどうか、「新規性」=これまでにない画期的な機能や特徴はあったか、「影響力」=消費者の生活スタイルを変えたか。3つの項目で評価(以下同)
「売れ行き」=売り上げの大きさやシェアの高さはどうか、「新規性」=これまでにない画期的な機能や特徴はあったか、「影響力」=消費者の生活スタイルを変えたか。3つの項目で評価(以下同)

【上半期ヒット】快適性が受けて好調な立ち上がり
フィット(ホンダ)

 20年2月の発売から1カ月で月販目標の3倍以上となる3万1000台を受注した新型フィット。同年3月の新車登録台数は2位で、同時期に発売したヤリス(3位)を上回る(1位はカローラ、4位はライズ)。視界の良さや座り心地、乗り心地などの快適性を追求したリニューアルが成功した。売れ筋はハイブリッドシステムの「e:HEV」モデル。

【上半期ヒット】電車やバスを避けたい人が注目
クルマのサブスク

 新型コロナの影響で伸びているのが、クルマのサブスクリプションサービス。公共交通を避け、クルマで移動したいとのニーズに合致した。IDOMが展開する「ノレル」は20年2月に追加した中古車サブスクの新プランが好評で、1カ月で2000件近い申し込みを獲得。ホンダが20年1月に始めた「ホンダ マンスリー オーナー」も出足好調だ。

「ホンダ マンスリー オーナー」
「ホンダ マンスリー オーナー」

【これもヒット】ヴィッツ改め新型ヤリスも人気

 それまでのヴィッツから、新たにヤリスとしてフルモデルチェンジ。2月の発売以降、競合のフィットと並んで売れ行き好調。燃費の良さが特徴だ。

ヤリス(トヨタ自動車)
ヤリス(トヨタ自動車)

【下半期ヒット予測】日産も新型コンパクトSUV投入(期待度:★★)
キックス(日産自動車)

 日産は海外で販売しているコンパクトSUVのキックスを国内に投入する見込みで、初夏の発売が予想される。改良型のハイブリッドシステムを搭載する見通し。ヒット中のライズやロッキーに真っ向から対抗するモデルとして注目度が高い。

【これも期待!】EVの選択肢が広がる!

 20年後半以降、ホンダの「Honda e」やマツダの「MAZDA MX-30」といった電気自動車(EV)が発売を予定。日産も軽EVを市販に向けて開発中で、選択肢が一気に拡大する。

マツダ「MAZDA MX-30」
マツダ「MAZDA MX-30」