※日経トレンディ 2020年6月号の記事を再構成

2020年、新型コロナウィルスの感染が拡大する中での上半期ヒット商品と、ウィズコロナ時代の下半期ブレイク予測を総まとめした特集の第7回。家電・デジタルのジャンルでは、ノイズキャンセリング機能を備えた完全ワイヤレスイヤホンに大激戦の兆しがある。また巣ごもりによって、調理家電が好調となり、テレワーク関連市場が急伸長した。下期は、映画館に行きづらい悩みを解消するプロジェクターなどが有望。

 16年末にAirPodsが登場してから約3年がたち、完全ワイヤレスイヤホンが新たなステージに入った。これまでソニーが開拓してきた、周囲の雑音を電気的に打ち消す「ノイズキャンセリング」(ノイキャン)機能を最大手のアップルが独自に開発し、上位機の「AirPods Pro」を19年10月に発売したのだ。

 従来のAirPodsは耳を圧迫しない「開放型」で、周囲の雑音が聞こえやすい欠点があった。これをAirPods Proでは耳穴にぴったりはまる「密閉型」に変更し、遮音性が向上。電車内でも雑音を気にすることなく音楽を聴けるようになった。これが電車通勤の多い日本人にマッチして人気が沸騰。税込みで3万円前後と高価にもかかわらず、一気にシェアトップに立った。ノイキャン搭載イヤホンはソニーも出しているが、AV評論家の折原一也氏は「日本はiPhone利用者が多いので、イヤホンのブランド力は今やアップルのほうが上」と分析する。4月にパナソニックもノイキャン市場に参入。今後三つどもえの争いになりそうだ。

【特集】上半期ヒット大賞&下半期ブレイク予測
【第1回】 コロナ禍でのヒット商品は? 逆風の中で見えた4つの上半期ヒット大賞&下半期ブレイク予測法則
【第2回】 極細ボールペンがヒット 次は小型エコバッグ?【文房具・雑貨】
【第3回】 『鬼滅の刃』なぜ大ヒット? 企業コラボ多数で経済圏を拡大
【第4回】 アニメ「鬼滅の刃」、放送後「神回」とトレンド入りし続けた秘密
【第5回】 新型ゴキブリ駆除剤がヒット ノンアル除菌も伸びる【日用品】
【第6回】 ドワンゴが先陣 「無観客ライブ配信」がコロナ禍の新潮流に
【第7回】 調理家電が絶好調 自宅映画館化にヒットの兆し【家電デジタル】
【第8回】 スマホはシャープが圧倒的トップ Zoomも大ヒット【通信】
【第9回】 無塩ポテトチップス、二郎風ラーメンが上半期にヒット【食品】
【第10回】 資生堂メンズコスメ、マスクに合う化粧品が躍進【美容アパレル】
【第11回】 トヨタ「ライズ」が好調 コロナでサブスクも伸びる【クルマ】
【第12回】 コカ・コーラ「檸檬堂」が大ヒット、キリンの乳酸菌水も【飲料】
【第13回】 任天堂リングフィットが品薄に 人生ゲームも特需【ゲーム玩具】
【第14回】 au Payが上半期に躍進 3%還元のLINE Payクレカも注目【マネー】
【第15回】 「ソロキャンプ」ブームが加速 用具やサービスも1人用が充実

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