「マスク開店時販売中止」サツドラの意思決定を加速した社内SNS(画像)

マスクの開店時販売を他社に先駆けて中止した北海道のドラッグストアチェーン、サッポロドラッグストアー(サツドラ)。ツイッターで大きな話題となったこの決断の裏には、問題の議論からABテスト、そして中止の発表に至るまで、“見える化”を徹底する同社の姿勢があった。

 新型コロナウイルス感染拡大という世界的危機の渦中で、難しい決断を迫られている企業は多いだろう。どのような情報を集め、どのようなロジックで優先順位を付けていくべきか。そのヒントを得るべく、本特集ではコロナ禍で異例の決断を行った企業に密着し、その決断を下した裏側をひもとく。

【特集】withコロナ 企業の決断
【第1回】CM大転換で「空気を変えるぞ」 エステー鹿毛氏の苦悩と決断
【第2回】「マスク開店時販売中止」サツドラの意思決定を加速した社内SNS←今回はココ

 「全店でマスク・消毒液などの『開店時』の販売を中止させていただきます」

 政府が7都府県に対して緊急事態宣言を出した2020年4月7日。あるドラッグストアチェーンによるツイッターでの投稿が大きな話題をさらった。北海道を中心にドラッグストア約210店舗を展開するサッポロドラッグストアー(以下、サツドラ)によるものだ。

 入手困難のマスクを手に入れるべく開店前からドラッグストアに行列ができることが問題になっていたなか、この投稿は大きな話題となった(5月22日時点で1万3000件を超える「いいね!」が付いている)。

 この決断について、同社の富山浩樹社長は「どんな策を講じても全てのお客様を満足させられない状況だからこそ、自分たちの方針とその理由をオープンにすることが重要だと考えた」という。全国民がマスクの販売にセンシティブになるなか、なぜ同社はこのような決断できたのか。

サッポロドラッグストアー(サツドラ)は北海道を中心にドラッグストア約210店舗を展開
サッポロドラッグストアー(サツドラ)は北海道を中心にドラッグストア約210店舗を展開

「朝の行列解消」と「購入機会の平等性」が大きな理由

 同社が開店時販売中止の大きな理由として挙げているのが、「朝の行列解消」と「購入機会の平等性」。朝の行列はそれ自体が感染拡大の原因になりえるうえ、駐車場が開店前から満車となり、路上駐車が発生して近隣に迷惑をかけることもあった。

 店舗運営上も朝の行列は大きな支障となっていた。平常時でも朝は品出しだけでなく開店作業などもあり、忙しい。それに加えて行列対応となると、販売スタッフにとっては大きな負担になる。さらに行列を作る買い物客のニーズにできるだけ応えるべく、入荷した膨大な商品の中からマスクや消毒液だけを先に見つけ出して店頭に並べるといった作業も必要になっていた。

 購入機会の平等性については、仕事の都合などでどうしても朝には買いに行けないといった声も多かったという。そこで、同社では開店時販売を中止し、いつ店頭に並ぶかは告知せず、店を訪れたときにあれば買えるようにしたのだ。

サツドラホールディングスの富山浩樹社長
サツドラホールディングスの富山浩樹社長
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