新型コロナウイルス感染拡大でサージカル(医療用)マスク、人工呼吸器、人工心肺装置などの医療機器や医療物資の不足が深刻化している。これに一役買おうと動き出したスタートアップ企業がある。金属加工部品の受発注プラットフォーム「CADDi」を運営するキャディ(東京・台東)だ。

メーカーの発注データを元に製造に必要な工程を自動で割り出し、最適な工場に依頼できるアルゴリズムを開発。産業界から注目を集めているキャディ(東京・台東)の加藤勇志郎社長。東京大学卒業後、マッキンゼーアンドカンパニーで史上最年少でマネージャーを務め、2017年に創業
メーカーの発注データを元に製造に必要な工程を自動で割り出し、最適な工場に依頼できるアルゴリズムを開発。産業界から注目を集めているキャディ(東京・台東)の加藤勇志郎社長。東京大学卒業後、マッキンゼーアンドカンパニーで史上最年少でマネージャーを務め、2017年に創業
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 キャディはメーカーから部品の小ロット生産を委託されるような中小工場の情報をデータベース化。メーカーからの発注データを元に、製造に必要な工程を自動で割り出し、その工程を得意とする最適な工場に依頼できるというアルゴリズムを開発。CADDiに搭載した。

 金属加工部品などの発注を検討しているメーカーが、CADDiに製品や部品の3DCADデータを入力すると、わずか7秒で見積もりと納期の結果がWeb上で確認できる。その利便性の高さが、産業界で注目されている。そして今、新型コロナウイルス騒動で不足している医療機器向け部品の調達に困ったメーカーなども、キャディが持つ工場ネットワークに注目。同社に相談を持ちかけているのだ。

 キャディ自身も、国内の医療機器部品・機械部品の製造に特化した協力加工会社100社以上と連携した特別支援プログラムを開始。部品調達の面で貢献しようとしている。

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