『アフターデジタル』の著者であるビービット藤井氏が、「オフラインのない時代に生き残る」ための経営術を先んじて実践している企業の幹部や、藤井氏と同じ未来を見据える識者を直撃するのが本連載だ。第1回は「売らない店」を標榜し、「価値の共創」を目指す丸井グループ青井浩社長に話を聞いた。

ビービット 東アジア営業責任者の藤井保文氏(左)と、丸井グループ 代表取締役社長 CEO(最高経営責任者)の青井浩氏(右)
ビービット 東アジア営業責任者の藤井保文氏(左)と、丸井グループ 代表取締役社長 CEO(最高経営責任者)の青井浩氏(右)

藤井保文(以下、藤井氏) 青井社長には、著書『アフターデジタル』の考え方に共感いただいたことをきっかけに、経営合宿やイベント登壇にお声がけいただきました。お話を深めていく中で、本当に“高い解像度”で私の伝えたいことをご理解いただいていると実感しております。今回の対談連載でも真っ先にお話を伺いたいと思ったのです。

 今日は、丸井さんがやっていることをアフターデジタル的に解釈したのでそれについて、本当のところはどうなのかお話しいただけたらと思っています。

青井浩社長(以下、青井社長) なるほど、分かりました(笑)。それは楽しみですね。

今回の対談ゲスト:丸井グループ 代表取締役社長 CEO 青井 浩(あおい ひろし)氏
1961年生まれ。慶応義塾大学卒業。86年、丸井(現丸井グループ)入社、常務取締役、副社長などを経て、2005年4月より代表取締役社長に就任。創業以来の小売・金融一体の独自のビジネスモデルをベースに、ターゲット戦略の見直しや、ハウスカードから汎用カードへの転換、SC・定借化の推進など、さまざまな革新をすすめる。ステークホルダーとの共創を通じ、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊かな社会の実現をめざす。

藤井氏 そう言っていただけると心強いです(笑)。

なぜD2Cに注力しメルカリと協業するのか

 さて、早速ではありますが、最近の丸井さんの取り組みの中で私が注目していることが2つあります。1つはD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)への注力、もう1つはメルカリさんとの協業です。

 まずD2Cへの注力については、アフターデジタル社会で「独特の世界観ビジネスを展開する企業」が次々と生まれる中で、彼らに対してリアルのプラットフォームを提供しようとする動きがあるように私からは見えます。実際のところはどうなのでしょう。