新人マーケターに向けて、博報堂のマーケティングプラナーが実践的なマーケティングを紹介する講座も、今回が最終回となりました。第2部でお話しました「データ」および「データを活用したマーケティング」についてまとめます。

今回は連載の第2部をおさらいする(画像提供/Shutterstock)
今回は連載の第2部をおさらいする(画像提供/Shutterstock)

 まず、第2部をざっと振り返ってみましょう。第16回では知っておくべきデータには4種類あり、ユーザーの明示的な同意をもって提供する「ゼロ・パーティー・データ(0 Party Data)」が最近注目されていることを紹介しました。様々な種類のデータを掛け合わせ、顧客を立体的・多面的に理解することの大切さを学びました。

 第17回は、マーケティングデータ基盤には管理するデータの違いによって「CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)」「DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)」の2種類があり、両者を組み合わせれば「顧客の解像度を上げる」「顧客のセグメンテーションを行う」ことが理解できたと思います。

 続く第18回で取り上げたのは、CDPやDMPを「営業支援ツール」「マーケティングオートメーションツール」「広告配信ツール」など様々なツールに連携させ、ポテンシャル層を発掘したり見込み客および既存顧客を育成したりできることでした。

 第19回は、個人情報を取り上げました。特定個人を識別できる情報のことで、法令にのっとって厳格なデータの取り扱いが求められ、生活者の同意を取得することも必要だとお話しました。法令を順守しつつデータを活用する新しい仕組みとして「情報銀行」「統計処理」も紹介しました。

 次の第20回はデータサイエンスです。膨大なデータから生活者の心理やマーケティングの法則を発見するために、「観測」「実験」「再現」の3つのアプローチを紹介しました。生活者を動かすためには「何を問えば良いのか」を尋ねるスキルを高めることが重要であると理解できたと思います。

 そして、グローバルのデータ・デジタル・マーケティングを紹介したのが第21回でした。世界的に生活のデジタル化が進んでおり、国や地域ごとの価値観や市場環境などの特性に合わせて持続可能な仕組みと最適な体制を構築することの重要さがお分かりいただけたと思います。デジタル広告に加えて「デジタルを使った体験の設計」の重要性の高まりも理解できたと思います。

第2部を振り返る。第16~21回で伝えたいことを図にまとめた(画像提供/博報堂)
第2部を振り返る。第16~21回で伝えたいことを図にまとめた(画像提供/博報堂)

「仕組み」と「仕掛け」が組み込まれていく

 マーケティングのデジタル化によって起こることは様々ありますが、大きな変化の一つは第2部で紹介したように、マーケティングに「仕組み」と「仕掛け」が組み込まれていく、ということです。

 仕組みとはデータや、CDPやDMPといったデータ基盤、そしてデータを分析し、顧客理解を深めて適切な情報を配信していく基盤のことです。

 仕掛けとは、仕組みを活用して生活者と関係を深めていく施策のことです。顧客の種類別で見ると、新規顧客を獲得するための仕掛けと、既存顧客との関係性を進化させる仕掛けの2つがあります。また最近では、今までのようなオウンドメディアだけでなく、アプリなどを活用したオウンドサービスを提供することで顧客との関係をつくる仕掛けも増えてきています。

 例えば化粧品で言うと、商品紹介を伝えるホームページに加えて、AR(拡張現実)を活用した化粧品のお試し(バーチャルトライ)サービスの提供です。情報に加えてサービスを提供することが企業のコミュニケーションの中に生まれ始めています。

 また、仕掛けの領域が多様化するに連れて、情報を全体設計するカスタマージャーニーや、情報そのものの設計に加えて、サービスなどの体験も設計することが重要になってきています。

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