皆さん、はじめまして。この連載は、新人マーケターに向けて、博報堂のマーケティングプラナーが20回以上にわたって、実践的なマーケティングを紹介する集中講座です。今マーケティングは新しいステージに移行しつつあります。私たちは、この連載を通じて、マーケティングの「新しい姿」を展望していきたいと思います。

マーケティングとは、企業活動において事業戦略に基づいて「何を作って、いくらで、どこで、どのように生活者に提供するか」というプロセスを担うこと。そのため、4P(「プロダクト」「プライス」「プレイス」「プロモーション」)だと言われている(画像提供/博報堂)
マーケティングとは、企業活動において事業戦略に基づいて「何を作って、いくらで、どこで、どのように生活者に提供するか」というプロセスを担うこと。そのため、4P(「プロダクト」「プライス」「プレイス」「プロモーション」)だと言われている(画像提供/博報堂)
今回学ぶマーケティング用語
「マーケティング」

 まず、マーケティングはどのような役割を担っているのでしょうか。知らないことを聞けるのは新人の特権ですから、ぜひ先輩や同僚に勇気を出して、「マーケティングって何ですか」と聞いてみてください。

 答えがばらばらでも気にする必要はありません。私たちも日々、企業と接している中で、マーケティングが意味するものが企業によって異なっていると感じています。マーケティング本来の定義と関係なく、“マーケティング”という名称がついている組織が担っていることがその企業におけるマーケティングと定義されているからです。結果として、広告や販売促進だと理解されたり、商品の企画や調査だと理解されたりしています。

マーケティングの位置付け

 冒頭の図は、ハーバード大学経営大学院のマイケル・ポーター教授が提唱したバリューチェーン(価値連鎖)(i)を編集したものですが、これを見れば企業におけるマーケティングの位置付けが一目で分かるのではないでしょうか。企業活動においてマーケティングとは、事業戦略に基づいて「何を作って、いくらで、どこで、どのように生活者に提供するか」というプロセスを担っています。

 そのためマーケティングは、4P(「プロダクト」「プライス」「プレイス」「プロモーション」)だと言われます。4つのPを組み合わせて(マーケティングミックス)、「生活者にとって価値を創造し、市場において交換するプロセス」とマーケティングは定義できるのです。

 特にプロダクト(製品開発)がマーケティングに含まれている点に注目してください。マネジメントの父と呼ばれるピーター・ドラッカー氏は、「マーケティングは、企業に特有の機能である」と言っているように(ii)、その企業ならではの価値をつくるのがマーケティングです。

これからマーケティングは、企業の中核機能になっていく

 想像するよりも、マーケティングが広範な役割を担っていると皆さんは感じたのではないでしょうか。

 特に日本企業は、歴史的に研究開発部門と販売部門が強く、依然として「良いものを作って安く売れば、成功する」と考えるところがまだ多いようです。製品開発機能がマーケティング部門の傘下に置かれることは少なく、そもそもマーケティング部門が存在しなかったり、マーケティング部門があったとしても広告や販売促進など限定的な役割を担っていたりします。

 プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)出身で現在「刀」代表取締役CEO(最高経営責任者)の森岡毅氏はその著書において、日本をマーケティング発展途上国だと指摘しています。「技術ドリブンな会社では、商品開発がマーケティング戦略を支配する本末転倒な構造すら珍しくありません」(森岡氏)(iii)

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