
個人消費の“風”を読む~購買ビッグデータから見える今~
経済データ分析のナウキャスト (東京・千代田区)は、ジェーシービー(JCB)と共同でクレジットカード会員の利用情報を基にした個人消費に関するデータを半月ごとにまとめ、企業向けに有償サービスとして提供している。それが「JCB消費NOW」で、全39業種を対象に消費動向を集計し指数化したものだ。また、ナウキャストは、全国の⾷品スーパー1200店舗のPOS(販売時点情報管理)データを基に⽇次の品目別物価や売上⾼も算出している。本連載では、こうしたサービスを提供するナウキャストの分析チームがデータを読み解き、個人消費の今を斬る。
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第10回2020.12.25国民が先回りで自粛? データが語る「Go To トラベル」本当の効果ついに「Go To トラベル」の一時休止が発表された。新型コロナウイルス感染拡大にどのように影響を及ぼしたかは不明だが、肝心の経済への効果はいかほどだったのか。「JCB消費NOW」に加えて観光庁のデータなどから「本当の効果」をはじき出した。
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第9回2020.11.27ビッグデータも示した鬼滅効果 伸び率No.1エリアは何と「四国」暗い話題しかなかったコロナ禍のエンタメ業界に神風が吹いた。今回はビッグデータで明らかになった、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』による“異常値”を紹介していく。エリア別の伸びの1位はなぜか「四国」。世代別にも意外な違いが見て取れた。空前のヒット映画にフォーカスする。
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第8回2020.10.29景気動向指数では見えないリアル 新しい生活様式は定着したのか内閣府が発表した2020年8月の景気動向指数は、景気の現状を示す「一致指数」の基調判断が「下げ止まり」となり、景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」から15カ月ぶりに上方修正となった。では直近の個人の消費行動ではどのような変化が見られるのか。購買ビッグデータからリアルな消費者の姿を探っていく。
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第7回2020.10.02高齢者の利用が激増 消費データから見るECで伸びた商材とはwithコロナでリアル店舗に逆風が吹き続ける一方、消費が激増していると言われるEC(Eコマース、電子商取引)だが、その実態はどうなのか。ECの中でも優劣はあるのか。約100万会員のクレジットカード決済情報を基にしたビッグデータから、その実態を明らかにしていく。
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第6回2020.09.02「Go To キャンペーン」総括 宿泊がプラスで交通がマイナスの訳第4回で、「消費の底は4月後半だった」と当連載で紹介した。消費全体ではその傾向は変わらないが、業種単位で見てみると、底がそれぞれ異なることが分かってきた。約100万人分のビッグデータを活用しながら、「Go To キャンペーン」の影響なども分析していく。
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第5回2020.07.30百貨店と居酒屋に「リベンジ消費」? 解放感でV字回復した業種新型コロナウイルス感染拡大の惨禍から、日本の消費はどう立ち直っていくのか。消費動向指数「JCB消費NOW」の購買ビッグデータを解析すると、業種によっての回復の濃淡が鮮明になってきていることが分かった。V字回復を果たした業種もあり、その背景には自粛生活の反動から来る「リベンジ消費」によるものと推測できる。
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第4回2020.06.23「消費の底」は4月後半だった ビッグデータが示す回復の足音消費回復の足音が聞こえ始めた――。消費動向指数「JCB消費NOW」の購買ビッグデータを時系列で解析した結果、見えてきたのは「消費の底は4月後半だったのではないか」という仮説だ。コロナ禍で大打撃を受けた外食や娯楽などが景気の底を打ち、緩やかな回復基調を見せ始めている。
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第3回2020.05.25日本人は外出自粛生活に適応? データから見えるコロナ禍の真実新型コロナウイルスに日本が翻弄され続けた2020年3月と4月。それぞれの前後半のデータが出そろった。ビッグデータの解析により見えてきたのは業種別、サービス別、財別の消費の浮き沈みと、徐々に新型コロナによる外出自粛生活に適応しようとしていった日本人の姿だ。
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第2回2020.05.14緊急事態宣言は消費をどう変えたか ビッグデータからひもとく新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、日本政府は2020年4月7日、史上初めてとなる緊急事態宣言を7都府県に発令した。これによって日本の消費環境はどう揺さぶられたのか。小売りやサービス業などに与えた影響と変化について、ビッグデータから解析していく。
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第1回2020.04.21新型コロナの個人消費への影響は? データから見えた新事実新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界的なリセッション(景気後退)が懸念されている。日本国内でも海外からの観光客が激減し、人やモノの移動が減少。観光産業や小売業は早くも大きなダメージを受ける一方で、スーパーマーケットの景況感は大幅に改善している。本稿ではビッグデータから足元の動向と今後の傾向を予測する。