暗い話題しかなかったコロナ禍のエンタメ業界に神風が吹いた。今回はビッグデータで明らかになった、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』による“異常値”を紹介していく。エリア別の伸びの1位はなぜか「四国」。世代別にも意外な違いが見て取れた。空前のヒット映画にフォーカスする。
20年11月に入ってから発表されたいくつかの経済指標を見る限り、一時期に比べて経済活動が再開されている印象を受ける。しかし一方で、気温と湿度が低下したことや、Go To トラベルキャンペーンで人の移動が活発化したことなどによって、再び新型コロナウイルスの感染が拡大している。いつものように購買ビッグデータから私たちの消費行動を探っていたところ、10月は一部のデータに通常は見られない大きな変化が確認された。今回は日本経済を救うコンテンツビジネスにフォーカスしていく。
11月9日に内閣府が発表した景気動向指数(9月分)は、景気の現状を示す一致指数が4カ月連続で改善となった。指数の動きから機械的に導かれる景気判断は、「下げ止まり」のまま据え置かれたが、同時に発表された先行指数も4カ月連続の改善となっており、内閣府は先行指数から消費者マインドの改善も見込まれているとした。翌10日に同じく内閣府が発表した景気ウォッチャー調査(10月分)は6カ月連続の改善となった。同データでは、「景気がいい」という見方が「悪い」をついに上回り、指数が50を超えたのは18年1月以来のこととなる。
しかし、経済活動の再開に伴い、新型コロナウイルスの感染も再拡大してしまっている。気温と湿度が低下する冬場は再拡大するとの指摘は従前からあったが、Go To トラベルキャンペーンで人の移動が活発化したことなども重なり、全国の新規感染者数は既に第2波のピークを越えてしまった。重症者数も既に第2波のピークと同等のレベルまで来ており、再び経済活動の自粛によって景気が減速しかねない。
コロナ禍においては、経済活動の維持と感染拡大の防止というアクセルを踏みながらブレーキを踏むような難しいかじ取りが求められる。実際に景気も一進一退の様相を呈しているが、オルタナティブデータを分析していると日本ならではの明るい話題も見つかった。
これまで同様にジェーシービーとナウキャストが提供している「JCB消費NOW」を活用したが、10月後半になって「映画館」における消費指数が急激に伸びていたのだ。他の項目も4月、5月の緊急事態宣言期間を底に回復傾向にはあるが、これほどまでの急回復を示したのは本項目だけである。
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