「誰でも簡単にアイデアを量産し、ユニークな企画を次々と生み出す秘訣」を伝授する連載企画。第6回は、アフターコロナ時代に求められる企画について考えていく。オンラインに置き換わるものと置き換わらないものの選別、そして、いかにファンとつながり続けるかが課題になる。

アフターコロナ時代の企画を考える

 前回は、狙い通りに人を動かすための3つのテクニックについて紹介しました。企画は、「人」が中心です。企画者にとっては「どこまで人のことを思えるか?」が永遠の問いになります。

 今を生きる人に大きな影響を与えているのは、世界中に広がっている新型コロナウイルスです。これから何かを企画するうえで、それを考えないわけにはいきません。

 そこで、これまで新型コロナウイルスが与えた影響と、それによって生まれたさまざまな企画を振り返りながら、アフターコロナ時代の企画の潮流について考えたいと思います。

感染予防のためのアクション

パ・リーグ6球団が共同で企画した手洗い啓発するキャンペーン「#SAFEHandsパ(セーフハンズパ)」
パ・リーグ6球団が共同で企画した手洗い啓発するキャンペーン「#SAFEHandsパ(セーフハンズパ)」

 新型コロナウイルス感染症が広がり始めた3月ごろは、感染予防のための企画が世界中で生まれました。

 タレントやスポーツ選手による手洗い推奨動画、自宅で見られるコンテンツの無料開放、企業ロゴを使ってソーシャルディスタンスの啓発をしようという企画、有名なキャラクターにマスクを付けてみた企画など、「手洗いしよう」「家にいよう」「離れよう」「マスクを付けよう」と呼びかける企画が始まりました。在宅をきっかけに広がったTV会議システムでは、さまざまな壁紙が提供され、今も使っている方は多いのではないでしょうか。

感染予防から2次被害予防へ

日本赤十字社が作った絵本アニメ「ウイルスの次にやってくるもの」。新型コロナウイルもたらす偏見や差別をなくそうと訴えた
日本赤十字社が作った絵本アニメ「ウイルスの次にやってくるもの」。新型コロナウイルもたらす偏見や差別をなくそうと訴えた

 感染予防を呼びかける企画が増えていく裏側で、新たな問題が噴出します。医療従事者への負担増が問題になり、医療従事者を応援する企画が生まれます。医療従事者に感謝の拍手をする取り組みや、医療従事者を表紙に起用する雑誌も現れました。

 さらに、倒産・閉業の危機に直面する事業者の問題や、「コロナ疲れ」の問題、医療従事者への差別の問題など、2次被害が顕在化します。それらに対応する形で、テークアウト実施店舗をSNSの投稿で応援する企画や、公共団体による2次被害防止を啓発するCM企画が行われました。

まだまだ先の長い自粛。「家で◎◎しよう」

 緊急事態宣言が発出され、本格的に在宅勤務や自宅待機が始まると、繁華街から人が消えました。渋谷駅のハチ公前の広告が消えたことも話題になりました。しばらく続くこの生活に適応するために、「家にいよう」から「家で◎◎しよう」系の企画が盛り上がります。家で筋トレ、家で料理、家で飲み会、はたまた家で演劇まで、家でできることの可能性が一気に広がりました。

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