個人が、作品やスキルを提供してビジネスを展開する「個人経済圏」。コンテンツを発信、販売できるプラットフォーム「note」が急成長している。通常のブログサービスから広告機能をなくし、コンテンツ課金とフォロー・被フォローのSNS機能を付加して個人クリエイターの創作を支援する。

前回(第3回)はこちら

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ネット上では日々多数のニュース記事が配信されている。そんな中、現状を分かりやすく解説することを試みたまとめ記事や、課題の提起など、断片的なニュースとは異なる論考が集まる場となっているのが「note(ノート)」だ。

 弁護士の吉峯耕平氏が、公表資料を元にまとめた「専門家会議の『クラスター対策』の解説――新型コロナウイルスに対処する最後の希望」(2020年3月20日投稿)は、共感したコンテンツに付く「スキ」が9000件超。また、起業家支援やスタートアップ投資を手がける安川新一郎氏が、各種データから東京都が重大局面にあることを解説した「新型コロナウイルスについて(6):4月第2週の首都封鎖 ロックダウンへのカウントダウン」(20年3月26日投稿)も、「スキ」が7300件超と、広く読まれ評価された。

 ブログ始めます--。この言葉は“死語”になろうとしている。「続きはまたいつかnoteに書こう(note始めます)」--。20年3月6日、指原莉乃さんのTwitter投稿は、ブログではなくnote開設宣言だった。

急成長中のメディアプラットフォーム「note」(提供/ピースオブケイク)
急成長中のメディアプラットフォーム「note」(提供/ピースオブケイク)

 近年、TwitterやFacebookなどで目にした気になる見出しをクリック(タップ)すると、その記事がnoteに書かれたものであるケースが増えていると感じる人は多いはずだ。noteは、個人がコンテンツを発信、販売できるメディアプラットフォームで、ピースオブケイク(東京・港)が2014年4月からサービスを開始した。19年9月時点で毎日1万件前後の投稿があり、コンテンツ投稿数は累計500万件超。note.comへの月間アクティブユーザー数(MAU)は2000万人に達している。MAUは18年1月が500万人弱、1年後の19年1月に1000万人突破。そこから9カ月で2000万人と、目下“指数関数”的な成長を見せている。

 個人クリエイターがnoteに文章や漫画、写真、音声を投稿し、ユーザーはそれらを視聴して楽しむ他、有料コンテンツを購入したり、気に入った記事に100円から1万円までの範囲でクリエイターを投げ銭感覚で応援したりできる。例えばネイリストがネイルアートの上達テクニックを分かりやすく説明するといった、プロによる解説コンテンツなどが人気で、月数百万円を稼ぐnote長者も現れているようだ。

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