主婦がデータを活用してマーケティングを実施し、毎月20万円を稼いでいる。スキル売買サービス「ココナラ」で実際に起こっていることだ。「個人経済圏」の拡大に伴いプラットフォーマーが利用者にデータを提供することで、個人でもデータを活用したマーケティングに取り組めるようになっている。

スキルの売買サービス「ココナラ」には150万人が登録し、これまで420万件の取り引きが成立している
スキルの売買サービス「ココナラ」には150万人が登録し、これまで420万件の取り引きが成立している

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 「ココナラに登録した最初の月の収入は2万3000円。それが(2020年2月には)21万円になった」

 こう声を弾ませるのは、ココナラを駆使する関東在住の主婦「けんちゃんママ」だ。ココナラはWebサイト制作や動画制作といった個人のスキルを販売できるサービス。驚くべきは、けんちゃんママが一般的な主婦で専門的なスキルを持つわけではないという点。売るのは、電話による悩み相談だ。

 ココナラは個人商店を設ける感覚で自身のページを作り、自身の持つスキルを商品として並べられる。けんちゃんママのページには「シングルマザーの誰にも言えない悩み聞きます」「甘えたい気持ち受けとめます」といった商品が並ぶ。1分100円の商品が多い。

けんちゃんママがココナラで販売する商品の一部
けんちゃんママがココナラで販売する商品の一部

 だが、利用者が短時間で電話を切ることは少ない。けんちゃんママの感覚値だが、平均で30分以上は電話するという。長いときは2時間以上に及ぶこともあり、料金は1回で1万2000円を超える計算になる。最長で140分電話したこともあるという。リピーターもついており、頻度が高い人は2日ごとに申し込む場合も。「定期的に報告することで、精神的な安定が保てるのではないか」とけんちゃんママは言う。

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