
新型コロナウイルスの流行で個人による不特定多数の資金調達を可能にするクラウドファンディングの利用が増加。同事業を展開するCAMPFIRE(東京・渋谷)の家入一真社長はこの状況を「個人経済圏の大きな転換点」だという。「少数の稼げるスターをつくるのではなくて、『それでもやっててよかった』という挑戦者のセーフティーネットをつくりたい」とプラットフォーマーとしての方針を語った。
CAMPFIRE 代表取締役社長
新型コロナウイルスの流行で、クラウドファンディングや個人が自分のスキルやノウハウを出品・販売するスキルシェアサービスの利用が伸びている。個人経済圏に与える影響をどう見るか。
新型コロナウイルスが流行する今の状況は、個人経済圏がテクノロジーによってエンパワーメント(能力拡張)されていくという視点で、歴史的にすごく大きなターニングポイントだと感じている。当社は東日本大震災があった2011年に創業した。クラウドファンディングは国の助成金などでは追いつかないところを、個人でもスピーディーに資金を集められる仕組みとして復興のプロジェクトで活用された。それによってサービスが知れわたった背景がある。今回の新型コロナウイルス流行下でもクラウドファンディングの利用は伸びている。
具体的にはどのように使われているのか。
イベントが中止になったアーティストや来店客数の減少で経営に支障を来している飲食店などを対象とし、資金の振込時にかかるサービス手数料12%が無料になり、決済手数料5%だけで利用できるサポートプログラムを20年2月28日に開始した。それが反響を呼び、このプログラム経由でプロジェクトの件数は1.5倍に増加した。プロジェクトも300件以上が申し込まれて、既に累計で1億円以上の資金調達が実現している。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。