1人焼肉店の進化系 料理を運ぶのも支払いもセルフで収益増へ(画像)

1人で手軽に食べられる「ファスト焼肉」をコンセプトに急成長する「焼肉ライク」が新店舗にセルフレジを導入した。省人化で人手不足に対応しながら、同時に客席回転数を上げて売り上げ増を実現した。

焼肉ライクは安価にそして短時間に食べられる「ファスト焼肉」を訴求している
焼肉ライクは安価にそして短時間に食べられる「ファスト焼肉」を訴求している

 特集第5回でも、客に提供する機能を見直し積極的に無人化を進めて収益増を図った店を取り上げる。ダイニングイノベーションインベストメント(東京・渋谷)の子会社、焼肉ライク(東京・渋谷)だ。同社は、2020年1月27日にオープンした「焼肉ライク 船橋ららぽーと前店」に、専用の注文端末やセルフレジを導入。同店としては初めて、注文から会計までほとんどすべてを客が行い、48席のホール内を1人で運営するセルフシステムを実現した。

前回(第4回)はこちら

【特集】日本でも進む“無人店舗”への動き

 焼肉ライクは、テーブルに設置した注文端末や3分以内の料理提供、1人1台の無煙ロースターというスタイルを採用して「ファスト焼肉」という焼肉の楽しみ方を確立。女性1人でも入りやすいと支持を広げている。1号店をオープンしたのが18年8月。現在国内に直営店とフランチャイズ(FC)合わせて32店舗を展開している。店舗は都心と郊外の両方にある。郊外店は幸楽苑ホールディングス(以下、幸楽苑)とFC契約を締結し、10店舗を出店している。船橋ららぽーと前店は、幸楽苑が運営していたラーメン店を業態転換した。

 セルフシステムの主な狙いは省人化にある。「今後、少子高齢化が進み、従業員の採用がこれまで以上に難しくなる。今の段階から省人化のシステムを開発したかった」と焼肉ライクの有村壮央社長は説明する。同社は、これまでの店舗で既に注文端末は導入していた。船橋ららぽーと前店でセルフレジを導入し、無人化を一段階進めたことで、これまで競合他社に先駆けて“未開”の市場を開拓し、支持を広げてきた1人焼肉店という画期的なスタイルを、さらに進化させた格好だ。

 新店の出足は好調だ。新型コロナウイルスの影響で自粛ムードが広がり、宴会のキャンセルが相次いだ居酒屋を中心に飲食店全般が苦戦している。そんな中、同店の売り上げは予算比110%を達成している。詳しくは後述するが、セルフシステム化を進めた結果、客席の回転数が増えたおかげだ。

専用カードで商品受け取りと支払いはスムーズ

 セルフシステムによる入店から会計までの流れを見てみよう。まず客が入店したらスタッフがテーブルに案内し、初めての客には手順を説明する。客はテーブルに設置されたタッチパネル式端末で注文する。

タッチパネル式の注文端末
タッチパネル式の注文端末
注文後にロースターの操作方法を表示する
注文後にロースターの操作方法を表示する

 間もなく画面に「火を付けてお待ちください」と案内が表示されるので、手元にあるスイッチを押して、無煙ロースターに着火する。スイッチはテーブルの天面の分かりやすい位置にあり、操作しやすい。着火して火加減の調節などをしているうちに、画面が変わり、「商品ができあがりました。ライクカードをお持ちください」と表示される。ファスト焼肉を標榜するだけあって、提供までの時間はあっという間だ。

 ライクカードは、テーブル番号とQRコードが記されたカードのことで、各席に置いてある。客はそれを持ってカウンターへ行き、注文した商品を受け取る。そしてテーブルに戻って肉を焼いて食べる。会計でも先程のライフカードを使う。セルフレジにQRコードを読み込ませるとすぐに金額が表示される。決済は現在、現金のみだが、今後、クレジットカードや交通系ICカードに対応し、キャッシュレス化を進める考えだ。

商品の用意できたことを画面で通知。客はライクカードを持って、カウンターまで取りに行く
商品の用意できたことを画面で通知。客はライクカードを持って、カウンターまで取りに行く
カウンターでカードを提示して、スタッフから商品を受け取る
カウンターでカードを提示して、スタッフから商品を受け取る
セルフレジを2台設置。カードのQRコードを読み込ませると金額が表示される
セルフレジを2台設置。カードのQRコードを読み込ませると金額が表示される