
新型コロナウイルスの感染拡大で、従業員の仕事をテレワークなどの在宅勤務に切り替える企業が増えている。しかし、在宅勤務がなじまない職場も少なくない。そうした職場では、従業員の感染リスクを下げるため、社内で買い物ができる自動販売機タイプの無人店舗の人気が高まっているのではないか。オフィス向け無人コンビニを主に展開してきたスタートアップの600(ろっぴゃく、東京・千代田)に話を聞いた。
日本でも新型コロナウイルスが猛威を振るっている。このため、多くの企業は従業員に対して、自宅待機を指示したり、ネットワークや各種ツールを整備したうえでテレワークなどの在宅勤務に切り替えたりしている。通勤時の行き帰りや取引先との接触で生じる従業員の感染リスクを引き下げ、また発症しないまま感染している従業員が社内に感染を広げかねない可能性も考慮してのことだ。
とはいえ、病院や薬局、飲食店、理美容院など、現在の日本では在宅勤務がなじまない職場は少なくない。また、完全在宅勤務を従業員に指示したくても、会社の情報システムがテレワークなどに未対応で出社しなければできない仕事が多く、結果として従業員の多くが出社しているという企業も、思いの外、多いという。
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従来通りに従業員が出社しているこうした企業が、別の手立てで感染リスクを引き下げようとしたら何をするか。社員を社屋の外にできるだけ出さないように、社屋内で簡単な飲食や買い物をできるようにするのではないか。ならば、人との接触を避けられる無人店舗の人気が、こうした企業の間で高まっているのではないか──。
そこで、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めてから、企業からの引き合いが増えていないか、オフィス向け無人コンビニを主に展開してきたスタートアップの600に話を聞いた。
600は、2018年6月にサービスを本格的に始めてから19年4月までの1年弱で、東京都内のオフィス中心に約50カ所へ、冷蔵ケースを使った自動販売機タイプの無人コンビニを設置してきた企業。KDDIやLINEといった大手から、BASE、Gunosyなどのベンチャーまで幅広い企業が、600の無人コンビニを利用している。
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