「Z世代」の男性は、女性に比べてやや影が薄いが、データからは、理美容や化粧品に金をかけ、音楽、アニメ・漫画を愛し、社会貢献への関心が高い──そんなZ世代男性の姿が浮かび上がる。特集第2回では、こうしたZ世代の男性にフォーカス。その価値観、金の使い方とは。

前回(第1回)はこちら

●Z世代男性の平均小遣いは月2.6万円
●Z世代男性の平均小遣いは月2.6万円
「Z世代男性」とは、マクロミル ブランドデータバンクの調査結果(2019年12月実施)から、18~24歳男性のデータを抽出したもの。「男性全体」とは、全年齢の男性のデータを抽出したもの
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10年前の同世代より金回りはいい

 マクロミル ブランドデータバンクが約3万人を対象に実施(2019年12月)した調査結果から18~24歳のZ世代男性(1171人)を抽出すると、平均年齢21.3歳。平均世帯年収は569.0万円、平均個人年収は129.1万円、平均小遣いは月額2.6万円だ。ここから有職者(396人)だけに絞ると、個人年収は280.2万円、小遣いは3.5万円となる。

 対する男性全体(1万5656人)は平均年齢45.2歳。平均世帯年収616.4万円で、平均個人年収420.6万円、平均小遣い月額3.7万円となっている。

 Z世代男性と男性全体を収入などで比較すれば、Z世代のほうが低くなるのは当然だ。Z世代男性の平均個人年収は男性全体の約3割に留まり、毎月の小遣いはZ世代男性が1万1000円も低い。それでも、10年前よりは若い世代の金回りはよくなっている。

 今から10年前、つまり2009年12月に実施した調査における18~24歳男性(1756人)は、平均世帯年収470.7万円、平均個人年収96.6万円、平均小遣い月額2.3万円だった。この10年間で、18~24歳の平均個人年収は約30万円、平均小遣いは月3000円アップした。

 男性全体の10年前のデータを見ると、最新のデータとそれほど代わり映えしない。近年の少子化による人材不足の影響などから、若い層のアルバイトや仕事の待遇が向上しているのだ。例えば、東京都の最低賃金は2009年に791円だったが、2019年には1013円、実に28.1%増となっている。

【特集】Z世代──10年後の中核層を攻略せよ
【第1回】 「Z世代」女性の意外な物欲 「次から次に欲しいもの出てくる」48.4%
【第2回】 3万人調査で見る「Z世代」 男性はアニメや音楽、美容にも熱心
【第3回】 Z世代の4タイプ 「ソーシャルよいこ」や「省エネペシミスト」?
【第4回】 若者研究第一人者の原田氏 Z世代はデジタルネイティブではない
【第5回】 Z世代座談会【お金の使い方編】 買い物はECよりもリアル店舗重視
【第6回】 Z世代座談会【SNS使い方編】 “映え”の押しつけには乗らない!
【第7回】 Z世代わしづかみ カロリーメイト“勉強垢”、利用37万回の好手
【第8回】 ビームス初! Z世代向けブランド、あえて“チープ”に見せる理由
※第8回までのパワポまとめ 「5分で分かるZ世代 10年後の中核層を攻略せよ」
【第9回】 “3つのレス”がZ世代に刺さる 「SHIRO」の次世代化粧品店
【第10回】 Z世代はなぜ「チェキ」を買う? 富士フイルムが捉えた3つの特質
【第11回】 コーセーもZ世代向け新商品 着目したのは「2つの傾向」
【第12回】 Z世代と企業が手を組み商品開発 カギは「若いデザイン思考」
【第13回】 タイガー魔法瓶 Z世代と開発した“畳める”ウオータージャグ
【第14回】 日立がZ世代と考える2030年 彼らを選んだ3つの理由

アニメや音楽のイベントにお金を使うZ世代

●「Z世代男性」と「男性全体」が年間に使用する金額の差
●「Z世代男性」と「男性全体」が年間に使用する金額の差
「Z世代」男性と「男性全体」が年間に使用する金額を比較すると、Z世代は千数百円ずつではあるものの、アニメや音楽関連に多く費やす
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 Z代男性は何にお金を使っているのか。彼らが年間に使用する金額を、分野ごとに男性全体と比較した。

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