ブレイク前に目を付けた「鬼滅の刃」

――『モンスト』というとコラボが盛んですが、20年2月の「鬼滅の刃」とのコラボは大成功でしたね。

根本氏 実はこの企画が持ち上がったのは「鬼滅の刃」の人気に火がつく前の段階で、明確な勝算があっての判断ではありませんでした。それでもコラボを決めた理由は、先に触れた「NEW」という要素です。「鬼滅の刃」はその時点でどことも大きなコラボをしていない、手つかずの作品でした。その点に賭けたら、賭けに勝ったという感じです。

「鬼滅の刃」と『モンスト』のコラボレーション
「鬼滅の刃」と『モンスト』のコラボレーション

 コラボと「鬼滅の刃」ブレイクのタイミングがぴったり合ったことはもちろんですが、それ以前に友達と共闘して敵を倒す『モンスト』のゲームデザインと「鬼滅の刃」の世界観がマッチしたことが成功の理由だと思っています。

 この成功には、私だけでなく現場も「コミットしてよかった」という思いがあるでしょう。判断の軸に「NEW」を置くことで、仮にうまくいかなかったとしても新しいことを始められた、そこに学びがあるはずだと考えていましたが、組織が変わったタイミングで実績を積めたことはよかったですね。

――今後についてはいかがですか。

根本氏 20年の施策や戦略も考えていますが、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行している今は何とも言い難い状況です。ただ、イベントにしろキャンペーンにしろ、その逆風を最小限に食い止めつつ、別の形でユーザーにとっての「NEW」を生み出せるバックアッププランを考えていくことが大事だと思っています。

 今は外出を自粛すべきときなので家にいる時間を楽しめるよう、16年に公開されたモンスト初の劇場用アニメ『モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ』の期間限定、無料配信をYouTubeで実施したり、ニンテンドー3DS版の『モンスト』を期間限定で100円でダウンロード販売したりもしました。外に出られないことで鬱々とする気持ちを少しでも払拭してもらえたらいいですね。

 『モンスト』は家にいながらも遊ぶことができるので、それを生かせる取り組みを矢継ぎ早に展開していくのが喫緊の課題です。当社の戦略としても社会的な意義としても取り組むべきことだと考えています。

根本 悠子(ねもと ゆうこ)氏
ミクシィ 執行役員モンスト事業本部長
広告制作会社、NHN Japan(現LINE)などを経て、2007年5月ミクシィ入社。Find Job!でコンテンツ企画・プロモーションに従事。08年8月SNS「mixi」のプロモーショングループに異動。以降「mixi」のユーザーコミュニケーションに携わるユニットのプロダクトオーナー、育休などを経て、17年5月モンスト事業本部マーケティング部部長就任。モンスターストライクに関わるマーケティング全般を統括。18年4月に執行役員マーケティング領域担当、19年4月に執行役員マーケティング・デジタルエンターテインメント領域担当を歴任。20年4月から現職

(写真/志田彩香、写真提供/ミクシィ)