ARグラスと5Gでリアルとデジタルの融合を加速

――御社では『ポケモン GO』だけでなく、『ハリーポッター:魔法同盟』や『Ingress(イングレス)』でも、イベントなどでリアルと連動した取り組みを重視しているように感じます。

村井氏 サービスをよりよいものにするため、さまざまな挑戦をしています。その1つがリアルとバーチャルの接点をいかに作り出すかということです。GOスナップショットもそうですが、デジタルなものをリアル世界に映し出すという体験を、もっとシームレスな形で実現したいと考えているのです。

スマートフォンを使った位置情報ゲームでは草分け的な存在の『Ingress(イングレス)』。(c)2013-2020 Niantic, Inc.
スマートフォンを使った位置情報ゲームでは草分け的な存在の『Ingress(イングレス)』。(c)2013-2020 Niantic, Inc.

 ゲームとしての体験とは別に、デジタルと現実世界を混在した姿を、ARの技で実現していきたい。今のARは、ボタンを押すと、デジタルなものが飛び出してくるというイメージです。我々としては、もっと密接なものにしていきたい。いつの間にかデジタルがリアルにあって、現実が拡張されることで生活が便利になり、歩くのが楽しくなる、いろんなものが知りたくなる、人との出会いが生まれる……というイメージを実現したいのです。

 何もしなくても10年後にはそうした時代を迎えるかもしれません。我々が考えるAR技術で人間とリアルを拡張していける仕組みを実現できれば、もっと面白いことになると考えています。

――それは必ずしもスマートフォンに限ったものではない、と。

村井氏 スマートフォンは現在、最先端のモビリティーデバイスだと認識していますが、もうじきその先を行くデバイスが出てくるのではないでしょうか。19年にARの眼鏡型のデバイスを開発することを発表していますが、それこそが我々の考えを体現するデバイスになると考えて開発を進めています。

「デジタルと現実世界をARで融合し、もっと密接なものにしていきたい」と話す村井氏
「デジタルと現実世界をARで融合し、もっと密接なものにしていきたい」と話す村井氏

ポケモン GOの中小店舗向けマーケティング活用も促進

――『ポケモン GO』などはゲームとしてだけでなく、さまざまな企業と連携しています。どのような施策を進めているのか教えてください。

村井氏 我々のゲームが、リアル店舗と連携してビジネスに結び付けた成功例の1つであることは確かですね。その重要なポイントは「人が動く」ことであり、人が動くことでリアル店舗における消費を呼び、商流を生む仕組みを作り上げることができたのです。

 これをパワーアップさせるため、『ポケモン GO』でもバーチャルな世界上のポケストップやジムに、店舗の情報を表示できる仕組みを、20年から提供しています。この取り組みによってお店の情報などが見えるようになり、クーポンを配布できるなど、店舗側がアピールしたいことを打ち出せるプラットフォームとして活用してもらえます。