次世代機向けとクラウドネーティブのゲーム開発を両にらみ

――それも見据えて、現在は開発を進めていますか?

松田氏 いや、まだまだですね。そうした方向性を念頭に置いて、ゲームを開発していかなければならないと考えている段階です。クラウドネーティブの新しいゲームというのも、その中に入っていきます。これは“おそらく”なのですが、家庭用ゲーム機およびIT系のプラットフォーム各社は20年に登場する次世代機のその先、「Next “Next Generation”」を見据えた動きをしているのではないかと、感じることがあります。

 クラウドゲーム市場が拡大していくであろう未来、どんなビジョンを描くのか。ゲーム自体がソーシャルネットワークになり、その時のゲームはクラウドで提供するということになるのではないかと思っています。

――クラウドネーティブのゲームはこうだ、というものは出てきそうですか?

松田氏 いろいろとコンセプトは作っており、構想もあります。ただ「これだ!」という正解はまだ見つかっていません。

 そういう将来を見据えたゲーム開発もあれば、その手前にある次世代機向けのゲーム開発もあります。ビジネスは両軸でやらなければなりません。将来的なコンセプトのゲームを作りたいという提案は社内から必ず出てくるので、うまく吸い上げていきたいと考えています。柔軟に考えられる組織体制や、新しい社内プロセスを整備する必要があります。生半可な投資ではなくなるので、本腰を入れなければなりません。

――現在の開発プロジェクトは、次世代の家庭用ゲーム機向け、スマホ向けで見るとどのような配分ですか?

松田氏 開発規模が違うので単純比較はできませんが、本数だけで見ると、スマートフォン向けタイトルの方が多くなっています。投資額だと家庭用ゲーム機の比重が大きいですが、スマートフォン向けゲームの1本の開発費も決して小さくないので、スマートフォン事業への投資額も増加しています。家庭用ゲーム機タイトルだけではなく、スマートフォン向けゲームも資本力が必要な時代になりました。

――20年は何にフォーカスしますか?

松田氏 今と将来の両にらみですね。次世代機と、来るべき「Next “Next Generation”」向けのゲーム開発の両方を視野に入れるということです。ゲーム1つ作るのに5年ほどかけるものもあるので将来といってもそんなに遠い話ではないと思っています。

松田 洋祐(まつだ・ようすけ)氏
スクウェア・エニックス・ホールディングス/スクウェア・エニックス 代表取締役社長。1963年生まれ。2001年にスクウェア・エニックス(旧スクウェア)に入社後、同社執行役員・取締役、タイトー取締役、スクウェア・エニックス・ホールディングス取締役などを経て、2013年から現職

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(写真/稲垣純也)