
星野佳路のマーケティング革命
星野リゾートの事業拡大が著しい。新たな宿泊施設の開業はもとより、新ブランドホテルの立ち上げや、台湾やハワイへ進出するなど海外展開にも意欲を見せる。「圧倒的非日常感」を掲げる「星のや」を筆頭に、次々と国内トップの顧客満足度を獲得していく星野リゾート。その革命的とも言えるマーケティングの神髄を、代表の星野佳路が明かす。
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第29回2021.01.12ずいぶんフランクなトップだと思った 星野リゾートの組織論(6)前回に引き続き、星野リゾートの代名詞でもある「フラットな組織文化」の“体現者”たる社員の声をお届けする。今回は経営破綻をした施設から星野リゾートに入社した後、いくつかの施設の総支配人を歴任し、現在はマーケティンググループのディレクターを務めている櫻井潤氏だ。
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第28回2020.12.15自分の立場を守るマネジメントはしない 星野リゾートの組織論(5)星野リゾートに成長をもたらした「フラットな組織文化」。星野佳路代表はこの組織文化を実践し、同社をけん引してきたのは社員たちだと語る。そこで今回はフラットな組織文化の“体現者”の声をお届けする。まずは新卒で星野リゾートに入社し、同社の組織文化の礎を築いた「OMO(おも)5東京大塚」の磯川涼子総支配人。
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第27回2020.12.01社内の情報格差を排除 困るのは誰? 星野リゾートの組織論(4)星野リゾートの組織運営における特色の1つに、財務状況をはじめ、経営に関するデータを、全社員に隠すことなく公開している点がある。なぜなら、星野佳路代表は全スタッフが得られる情報量を均一にすることが、フラットな組織文化には不可欠と考えているからだ。
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第26回2020.11.24社名変更は新卒採用のためだった 星野リゾートの組織論(3)星野リゾート代表の星野佳路氏が「星野温泉旅館」という旧態依然とした組織を「星野リゾート」というフラットな組織へと転換できたのは、人材難の危機を新たな人材獲得のチャンスととらえたからだった。意外にも“右も左も分からない”新卒の採用に踏み切ったことがフラットな組織文化を醸成する契機となった。
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第25回2020.11.17“ご乱心”とささやかれた軽井沢時代 星野リゾートの組織論(2)現在でこそ「フラットな組織文化」で成長を遂げている星野リゾートだが、もともとは軽井沢の歴史ある温泉旅館。星野佳路氏が4代目として旅館を継いだ当時は、フラットどころではなく、まず上下関係ありき、指示は全てトップダウンという古いしがらみに縛られていた。フラット化への道のりは、逆境の中で始まった。
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第24回2020.11.10うちの会社に「偉い人」はいらない 星野リゾートの組織論(1)「ブランド論」「デザイン論」に続き今回から星野リゾートの「組織論」を取り上げる。星野リゾートといえば「フラットな組織文化」で名高い。星野佳路代表はいかなる思いでフラットな組織にたどり着き、導入してきたのか。その真相に迫る。
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第23回2020.10.13視界開けた星野代表の“ある一言” 星野リゾート、景観の視点(2)星野リゾートのフラッグシップブランド「星のや」のデザインを手がける、ランドスケープアーキテクトでオンサイト計画設計事務所代表の長谷川浩己氏。星野リゾートと星のやにとって必要不可欠なランドスケープのデザインを担う同氏は、星野リゾートのデザインをどのように考えているのだろうか。
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第22回2020.10.06「風景」を司る仕掛け人の存在 星野リゾート、景観の視点(1)星野リゾート代表の星野佳路氏が、建築家の東利恵氏(東環境・建築研究所代表)と同様に信頼を置いているクリエイターが、オンサイト計画設計事務所代表のランドスケープアーキテクト・長谷川浩己氏だ。星野リゾートの草創期から「星のや」に関わってきた長谷川氏は、景観デザインのスペシャリスト。2回にわたりそのデザイン論をお届けする。
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第21回2020.09.29今こそ「with地元」で乗り切る withコロナと星野リゾート(6)コロナ禍で倒産に追い込まれるホテルや旅館が増えているなか、3密回避の徹底とマイクロツーリズムを提唱する星野リゾートは、2020年6月の県外移動自粛解除以降、各施設で次第に顧客を取り戻しつつある。同社のコロナ対策について、温泉旅館「星野リゾート 青森屋」の取り組みを紹介する。
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第20回2020.09.15現場の成功例、すぐ横展開 withコロナと星野リゾート(5)県外移動自粛の解除や「Go Toトラベルキャンペーン」といった追い風はあるが、いまだ苦境にあえぐ観光業界。星野リゾートも例外ではない。それでも代表の星野佳路氏は「夏の観光需要は予想以上」だと言う。同社のコロナ対策について、温泉旅館「星野リゾート 界 伊東」の取り組みを紹介する。
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第19回2020.09.083密は回避、地元とは密に withコロナと星野リゾート(4)「3密回避の徹底」を掲げwithコロナ時代の旅のあり方を模索する星野リゾート。状況が変わる中、代表の星野佳路氏は頻繁に社内へ情報発信し、コロナ禍でどう生き抜くかをスタッフに伝える。その意を受けた各施設の取り組みを3回にわたってお届けする。初回は「星野リゾート リゾナーレ那須」。
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第18回2020.09.03県境ではなく商圏で考える withコロナと星野リゾート(3)星野リゾート代表の星野佳路氏は、旅行需要は「マイクロツーリズム」から戻ってくると話す。身近な地域を観光するマイクロツーリズム市場は、withコロナの時代、観光業にとって基盤のような存在だ。その需要をいかに掘り起こすかが、日本の観光業を左右する。(取材日は2020年7月3日)
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第17回2020.08.25スマホで回避、温泉の混雑 withコロナと星野リゾート(2)新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、あらゆる場面で3密回避が重要視されている。だが、ただ回避するだけでは経済活動はままならない。withコロナの時代だからこそ生まれるサービスもある。星野リゾートでも大浴場の3密回避に向けた新サービスが誕生した。(取材日は2020年7月3日)
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第16回2020.08.18夏の観光需要は予想以上 withコロナと星野リゾート(1)新型コロナウイルスの感染拡大が収まらないまま旅行シーズンの夏が到来した。大打撃を受けた観光業界において、星野リゾートの星野佳路代表は「3密回避の徹底」を掲げ、危機を乗り越えるために奮闘中だ。実際の施設での取り組みも交え、同社のコロナ対策をお届けする。(取材日は2020年7月3日)
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第15回2020.07.28チームそのものがブランド 星野リゾート、建築家の視点(3)建築家の東利恵氏(東環境・建築研究所代表)が設計する「星のや」は、発表のたびに大きな注目を集める。そのデザインが星のやの評判を高めると同時に、東氏にも新たな成長をもたらす。互いの存在によってそれぞれを高め合っている関係が、そこにはある。
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第14回2020.07.21「一発当ててやる」はだめ 星野リゾート、建築家の視点(2)建築家の東利恵氏(東環境・建築研究所代表)は、星野リゾート代表の星野佳路氏と留学先の米国で出会い、現在、「星のや」の設計・デザインを一手に引き受ける。かつての同級生は、いまや建築のプロ、リゾート運営のプロとして、遠慮のない意見をぶつけあう仲だ。
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第13回2020.07.14「西洋文化にこびないで」 星野リゾート、建築家の視点(1)星野リゾートの施設デザインに関し、代表の星野佳路氏が絶大な信頼を寄せている建築家の1人が、「星のや」の設計・建築を手がける東利恵氏(東環境・建築研究所代表)だ。「星のや軽井沢」をはじめ、すべての星のやのデザインを手がけた東氏のデザイン論を、3回にわたってお届けする。
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第12回2020.07.07最新こそ最良であるべきだ 星野リゾートのデザイン戦略(4)軽井沢の温泉旅館からスタートし、今や国内外で多彩な施設を運営するまでに成長した星野リゾート。その施設はどれも地域の個性を反映した独特なデザインで顧客の心を引きつける。2020年中も新施設の開業を控えるが、代表の星野佳路氏は全ブランドで「既存の施設を超えるものをつくる」と意気込む。
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第11回2020.06.30クリエイターとやり合う日々 星野リゾートのデザイン戦略(3)星野リゾートで「星のや」ブランドのデザイン担当は、東環境・建築研究所の建築家・東利恵氏とオンサイト計画設計事務所のランドスケープアーキテクト・長谷川浩己氏だ。いいものをつくるために妥協しない2人は星野リゾート代表の星野佳路氏とは軽井沢時代以来の友人であり、良きパートナーでもある。
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第10回2020.06.23「星野流デザイン」の源流 星野リゾートのデザイン戦略(2)いいデザインを生むには施主と、デザイナーや建築家との関係は“フラット”であるべしと、星野リゾート代表の星野佳路氏は明言する。現在、ブランドごとにクリエイターのチームを抱える星野リゾートにおいて、最初のチームができたのは、星野氏が実家の星野温泉旅館を継いだ当時にさかのぼる。
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第9回2020.06.16統一コンセプトは存在せず 星野リゾートのデザイン戦略(1)現在、日本内外で42の施設を運営する星野リゾート。各施設は斬新なコンセプトはもとより、デザインにも定評がある。そこには星野佳路代表のどのような戦略があるのか。4回にわたり、星野リゾートのデザイン戦略をひもといていく。
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第8回2020.06.09顧客は戻る! 星野リゾート・コロナ禍のマーケ思考(3)新型コロナウイルスの影響で多くの人が将来に不安を感じる中、星野リゾート代表の星野佳路氏は「不可逆的ではない」「インバウンド需要も戻る」と言い切る。収束を1年~1年半後と捉え、その予測に沿って計画を進める星野氏が重視するのは「3密回避」の徹底だ。(取材日は2020年5月13日)
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第7回2020.06.02提案、旅の新様式 星野リゾート・コロナ禍のマーケ思考(2)新型コロナウイルスはビジネスの世界に大きな変化をもたらしている。国民が「動かないこと」を強いられているだけに、観光業はその影響をまともに受ける業種の1つ。そうした状況下で、星野リゾート代表の星野佳路氏は復活に向けどんな構想を抱いているのか聞いた。(取材日は2020年5月13日)
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第6回2020.05.26「教科書」存在せず 星野リゾート・コロナ禍のマーケ思考(1)新型コロナウイルスの感染拡大で多くの産業が危機に見舞われている。中でも観光業への打撃は深刻で、星野リゾートも例外ではない。このような危機的状況を前に、“リゾートの革命児”、星野佳路代表はいかなる思考と戦略で立ち向かうのか。3回にわたってお届けする。(取材日は2020年5月13日)
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第5回2020.05.19今後も「教科書通り」を続ける 星野リゾートのブランド戦略(5)都市型ホテル「OMO(おも)」、若者狙いの「BEB(ベブ)」と新ブランドを続々と立ち上げた星野リゾート。ニーズを確信したが故の新ブランド展開は星野佳路代表が描くマーケティング戦略の具現化に他ならない。マスターとサブの両輪で“星野ブランド”を強固なものとし、海外進出も視野に捉える。
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第4回2020.05.13サブブランド誕生のとき 星野リゾートのブランド戦略(4)星野リゾート代表の星野佳路氏は社名の「星野リゾート」をマスターブランド、「星のや」「界」などの各施設を「サブブランド」と呼ぶ。その中で同時にブランド展開を開始したのが「リゾナーレ」と「界」だ。ラグジュアリーブランドの「星のや」に続く第2、第3のブランド誕生のきっかけとは……。
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第3回2020.05.01ブランドの正体は情報の束 星野リゾートのブランド戦略(3)いまや国内外での運営施設が50に達しようという星野リゾート。「星野リゾート」という社名はもちろん、「星のや」「界」「リゾナーレ」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」といった施設名も広く浸透しつつある。代表の星野佳路氏はどんな考えを基にブランド展開しているのか、その戦略をひもとく。
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第2回2020.04.14手本は「サザン」 星野リゾートのブランド戦略(2)星野リゾート代表の星野佳路氏が、その独自のマーケティング手法について語る連載。家業の温泉旅館を継いでからブランド力の向上を賢明に図ろうとする星野氏。論文やビジネス書に目を通しセオリーを学ぶ中、やがて日本を代表することになる、あるロックバンドの“マーケティング戦略”に心を奪われた。
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第1回2020.04.07星野リゾートのブランド戦略(1) セオリーは全て教科書の中に星野リゾートの星野佳路氏が代表に就任してから29年。2020年中には、運営する施設は46に達する見込みだ。これまで星野氏がいかに組織を運営し、成長させてきたか。星野リゾート躍進のカギを握る「リゾートの革命児」のマーケティング論。まずはブランド戦略について5回にわたってお届けする。