星野リゾートはスモールマスマーケティング戦略において、旅のサブスクリプション(定額課金)サービスの「HafH(ハフ)」など、外部の企業やサービスとの提携を積極的に行っている。これまで手が届かなかった市場へのアプローチとして、既に一定数の会員や登録者を持つサービスと組むことは効果的だと、代表の星野佳路氏は考えている。

星野リゾート代表の星野佳路氏
星野リゾート代表の星野佳路氏
▼前回の記事はこちら 星野リゾートが気にする団塊世代の旅行参加率 数字落ちれば深刻

北海道民の“セコマ愛”を味方に

 地元を旅する旅行者の割合が約40%で、全国一といわれる北海道。そんな北海道民を取り込むべく星野リゾートが開始したのが、セコマ(札幌市)が展開するコンビニエンスストア「セイコーマート」との提携だ。セイコーマートの会員限定の優待宿泊プランや、利用額に応じてセイコーマートの会員カードに現金ポイントがたまるというこのサービスは、セイコーマートの会員が500万人といわれるだけに、星野リゾートにとっても大きな可能性を秘めている。


星野佳路代表(以下、星野) 北海道の人たちは旅に対して、東京の人たちとは全く違った感覚を持っています。なぜなら国内旅行に行くにしても、基本的に飛行機に乗らなければいけないからです。道外に出るのはコストがかかるので、北海道の人たちの道内の旅行率は圧倒的に高く、旅行人口は540万人にも上ります。これはすごいことです。北海道という土地自体が異なるニーズを持った独特なセグメントで、その北海道で500万人もの会員を擁するのがセイコーマートです。

「北海道の旅行人口は非常に多く、それ自体が独特なセグメント」と話す星野代表
「北海道の旅行人口は非常に多く、それ自体が独特なセグメント」と話す星野代表

 一方で星野リゾートも、北海道で「星野リゾート トマム」「OMO7旭川 by 星野リゾート」「界 ポロト」「OMO3すすきの by 星野リゾート」「OMO5小樽 by 星野リゾート」を運営しており、グループ化したWBFホテル&リゾーツの施設の再生も開始しています。これにより、北海道エリアでの客室数が2000室を超え、道内最大規模のホテルチェーンになりました。

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