サブブランドの自立といった新たなブランド戦略に加え、昨今の星野リゾートが注目を浴びている理由が、施設数の急増だ。強気とも思える新型コロナウイルス禍での事業拡大はとどまるところを知らず、今後も開業を控える施設が目白押し。貪欲なまでに成長を続ける星野リゾート、その狙いと向かう先は……。
断れば他社の手に渡るのは明らか
2021年に京都で「OMO(おも)」の3施設が開業したのをはじめ、観光不況が叫ばれたコロナ禍で、星野リゾートは順調に施設数を増やしている。外野から見ると「そんなに増やして大丈夫?」と思えるほどの勢いだ。この急拡大を、星野佳路代表はどう捉えているのだろうか。
星野佳路代表(以下、星野) 星野リゾートがコロナ禍真っただ中の21年に、京都で3つのOMOを開業したことについて各方面から驚かれましたが、これらはすべてオーナーや投資家の方からお声がけいただいた案件です。
星野リゾートには依頼を受けて運営に着手した施設が多いのですが、もちろん話をいただいたからといって、やみくもに引き受けているわけではありません。私たちなりに案件をしっかり精査し、星野リゾートならどのような運営をしていくか、あるいはどれくらいの業績が達成できるかということを、投資家の方々に提案もしくは提示をします。そこに合意をいただいて、初めて運営に至ります。
あくまでもイメージですが、10件の話をいただいたとしたら、その中で星野リゾートのサブブランドの基準に合う施設は約半分の5件くらい。そこからオーナーや投資家の方々と話を詰めて、最終的に合意に達する案件は1~2件という感じでしょうか。
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