温泉旅館ブランド「界」が、マスターブランドの「星野リゾート」から自立したことにより、ブランド戦略が次のフェーズに入った星野リゾート。サブブランドに関して1つの焦点が「自立」だとすると、もう1つの焦点は「拡大」だろう。今後、星野リゾートから新たなサブブランドが生まれる可能性はあるのだろうか。

星野リゾート代表の星野佳路氏
星野リゾート代表の星野佳路氏
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▼前回の記事 【第47回】「界」自立の裏に異質ブランドの存在 星野リゾート成長戦略(2)

サブブランドはセグメントありき

 星野リゾートが現在展開するサブブランドは「星のや」「リゾナーレ」「界」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」の5つ。海外のホテルチェーンの中にはさらに多彩なサブブランドを展開しているところもある。星野佳路代表はそのようなブランド展開については否定的だ。


星野佳路代表(以下、星野) サブブランドを展開するには、まずはセグメントありきだと私は思っています。一般的にセグメントとは、ある商品やサービスに対して知識や価値の判断、使用方法などが共通する顧客層を示します。細分化された市場ともいえるでしょう。

 星野リゾートでいうと、12歳以下の子供連れファミリーの家族旅行という大きなセグメントに対応して誕生したのが、ファミリーリゾートの「リゾナーレ」です。「界」を立ち上げたのも、温泉旅館市場という大きなセグメントがあったからです。

「リゾナーレ那須」は、農業や自然、文化交流などを楽しめる、日本初の「アグリツーリズモリゾート」。田畑や森林などフィールドを舞台に多彩なアクティビティを用意する
「リゾナーレ那須」は、農業や自然、文化交流などを楽しめる、日本初の「アグリツーリズモリゾート」。田畑や森林などフィールドを舞台に多彩なアクティビティを用意する
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 明確なセグメンテーションが可能で、さらにある程度の規模のセグメントが存在しない限り、サブブランドは作りづらいものです。新たに作ったら、最終的にはブランド力を高めて自立させなければいけません。そう考えると、資金力を含めて相当な覚悟が必要ですから、私は安易にサブブランドを増やすべきではないと思っています。

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