新型コロナウイルス感染症の流行で、日本のみならず世界中の経済が大打撃を受けた中、星野リゾートは相次いで新規施設を開業した。そして盤石のブランド戦略を進化させるべく、新たに「サブブランドの自立」にも踏み出した。今回から星野リゾートの成長戦略を俯瞰(ふかん)しつつ、“第2章”ともいうべき「新ブランド戦略」についてお届けする。
星野リゾート代表
サブブランド自立の時期が来た
星野リゾートは現在、「星野リゾート」という名のマスターブランドの下で、複数のサブブランドを展開している。そもそもの同社のブランド戦略について、いま一度おさらいをしてみよう。
星野佳路代表(以下、星野) ブランドづくりの戦略には、企業名のようなマスターブランドを軸に展開する「マスターブランド戦略」と、個々の商品やサービスなどを押し出す「個別ブランド戦略」があり、以前この連載で申し上げました通り、私は個別ブランド戦略が最終的には強いと思っています。
個別ブランド戦略で成功している代表的な企業の1つが日本コカ・コーラ。同社の製品である「ジョージア」にしても「爽健美茶」にしても、ブランドとしては「コカ・コーラ」とはうたっていませんが、個々の商品がブランドとしてしっかり認知されています。同様にプロクター・アンド・ギャンブル社(P&G)でも、「ブラウン」や「パンパース」など、各ブランドが個別ブランドとして確立されています。
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