前回の「星野リゾート 西表島ホテル」に続き、今回は同じく八重山エリアの竹富島にある「星のや竹富島」の魅力開発を紹介する。ここでも現地スタッフのアイデアを生かした、既存のホテル運営の枠を超えた取り組みが行われている。なぜそこまでやるのか。探っていくと見えてきたのは、離島で地域と共存することの意義だった。
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ペットボトル廃止に向け「水」を作る
石垣島から船で約10分、サンゴ礁が隆起してできた周囲約9.2キロメートルの竹富島。この島の一角に、「星のや」ブランドの3施設目として、2012年に開業したのが「星のや竹富島」だ。白いサンゴの砂が敷かれた小道に琉球赤瓦の家屋が並び、まるで島内の集落にいるかのような錯覚を抱くリゾートである。
この施設も星野リゾート 西表島ホテルと同様、21年からペットボトルによるウオーターサービスを廃止した。背景にごみ問題があるのは同じだが、竹富島は石垣島から海底送水管を通して生活用水を受水しており、星のやへの割り当てには限りがある。宿泊客に対してはペットボトルでの水の供給も必要になりそうだが、それにもかかわらず廃止できたのは、21年2月13日から稼働し始めた海水淡水化装置の導入で水の自給を可能にしたからだ。
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