星野リゾートに成長をもたらした「フラットな組織文化」。星野佳路代表はこの組織文化を実践し、同社をけん引してきたのは社員たちだと語る。そこで今回はフラットな組織文化の“体現者”の声をお届けする。まずは新卒で星野リゾートに入社し、同社の組織文化の礎を築いた「OMO(おも)5東京大塚」の磯川涼子総支配人。

星野リゾート「OMO5東京大塚」の磯川涼子総支配人
星野リゾート「OMO5東京大塚」の磯川涼子総支配人

フラットな文化にマッチした“しぶとい世代”

 東京・大塚にある「OMO5東京大塚」で総支配人を務める磯川涼子氏は、大学卒業後、まだ星野温泉旅館が存在していた2000年に星野リゾートへ新卒で入社した。今では社歴20年におよぶ、古参の社員だ。星野佳路代表は「温泉に入れるからという理由で入社してきた」と話すが、磯川氏は「それだけが理由ではありません」と笑う。星野代表からの信頼も厚い磯川氏は、どのような経緯で星野リゾートの一員となり、フラットな組織文化をどう見つめてきたのか。


磯川涼子氏(以下、磯川) もともと私はサービス業に興味があって、ホテル業界を中心に就職活動を行っていました。当時は40社ほど受けても全滅という超氷河期でしたから、企業のセミナーや会社説明会に、片っ端から参加していました。その1社が星野リゾートです。

 大手ホテルなどの説明会は会場も1000人規模です。副社長のような偉い人が遠くの壇上で話をしていて、「お客様は神様です」といった顧客至上主義に基づいて、サービスマンとは何たるかを説明するものが多かったように思います。また、入社後は根性をたたき直すぞ、みたいなところがありました。

 それに対して星野リゾートの説明会は、定員20人ほどの小さな会議室。同じテーブルに着いた星野が、「会社を成り立たせていくために重視する指標はエコロジカルポイント、顧客満足度、経常利益率の3つだ」とか、「なぜ顧客満足度を追求するのか」といった話をしていました。サービス業には「お客様のために」というスローガンがあるのは私も分かっていましたが、なぜそうすべきなのかをロジカルに説明してくれたのはここだけです。それがきっかけで、星野リゾートへの入社に気持ちが傾きました。

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