星野リゾートの組織運営における特色の1つに、財務状況をはじめ、経営に関するデータを、全社員に隠すことなく公開している点がある。なぜなら、星野佳路代表は全スタッフが得られる情報量を均一にすることが、フラットな組織文化には不可欠と考えているからだ。

星野リゾート代表の星野佳路氏
星野リゾート代表の星野佳路氏

会社の情報は全社員に等しく公開

 人は自分の持っている情報によって物事を判断する。当然、多くの情報を持っている人が、より的確な判断を下せる可能性が高まる。しかし、ともすれば各人の情報量の多寡が、優劣や上下関係を生む温床にもなる。フラットな組織文化を目指すには、それは避けるべきだと、代表の星野佳路氏は言い切る。


星野佳路代表(以下、星野) 星野リゾートは毎年の採用活動で、給料がそれほど高くなく、休みも少なく、年末年始は実家に帰れないこともあると、ネガティブな情報も言わざるを得ません。それでも、会社の情報は全社員に等しく公開していることを学生には伝えるようにしています。私が教科書としてきた組織心理学者で経営コンサルタントのケン・ブランチャード氏の本には、「フラットな組織文化を築くためには、社員が得られる情報量の格差をなくすことが重要だ」と書いてあるからです。

 多くの会社では、経営側には判断できることが、現場のスタッフには判断できないということが多い。それは情報量に差があるからで、多くの情報を持っている経営側のほうが、的確な判断ができるのは当然です。現場のスタッフにも正しい判断をしてもらうためには、情報量を均一にすることがとても大切です。フラットな組織文化の構築は、そういうところから始まります。