星野リゾートのフラッグシップブランド「星のや」のデザインを手がける、ランドスケープアーキテクトでオンサイト計画設計事務所代表の長谷川浩己氏。星野リゾートと星のやにとって必要不可欠なランドスケープのデザインを担う同氏は、星野リゾートのデザインをどのように考えているのだろうか。
【第10回】 「星野流デザイン」の源流 星野リゾートのデザイン戦略(2)
【第11回】 クリエイターとやり合う日々 星野リゾートのデザイン戦略(3)
【第12回】 最新こそ最良であるべきだ 星野リゾートのデザイン戦略(4)
【第13回】 「西洋文化にこびないで」 星野リゾート、建築家の視点(1)
【第14回】 「一発当ててやる」はだめ 星野リゾート、建築家の視点(2)
【第15回】 チームそのものがブランド 星野リゾート、建築家の視点(3)
【第22回】 「風景」を司る仕掛け人の存在 星野リゾート、景観の視点(1)
そこにしかできないものが「星のや」の特徴
「星のや」に限らず、星野リゾートの施設には統一されたデザインコンセプトはない。ただし旅行者を受け入れる宿泊施設である以上、旅をする人たちに「その土地でしかできない体験をしてもらいたい」とオンサイト計画設計事務所代表の長谷川浩己氏は言う。
長谷川浩己氏(以下、長谷川) 私は風景というのは「入れ子」のようなものだと思っています。地球の中にまず日本があり、その中に長野県、さらに軽井沢、星野エリアがあり、そこに「星のや」や「トンボの湯」があります。入れ子の中に、いかにうまくフィットするような風景をつくり出すかが私の仕事です。
例えば、日本でありながら西洋の風景をつくり出しているようなリゾートはたくさんあって、むしろそのほうが多いかもしれません。しかし、風景や自然を含め、その土地だからこそ存在しているものを大事にしつつ、集客できるような施設をつくり、満足してもらうのが、星野さんに対する私の役目だと思っています。巨大テーマパークが膨大なコストをかけて、さまざまな施設をつくらないと成立しないのとは全く逆です。そこに存在しているものと共存しながら、新しいプログラムや新しい形を滑り込ませていくのが、星野リゾートでの仕事です。
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