県外移動自粛の解除や「Go Toトラベルキャンペーン」といった追い風はあるが、いまだ苦境にあえぐ観光業界。星野リゾートも例外ではない。それでも代表の星野佳路氏は「夏の観光需要は予想以上」だと言う。同社のコロナ対策について、温泉旅館「星野リゾート 界 伊東」の取り組みを紹介する。
星野佳路のマーケティング革命
【第1回】 星野リゾートのブランド戦略(1) セオリーは全て教科書の中に
【第6回】 「教科書」存在せず 星野リゾート・コロナ禍のマーケ思考(1)
【第7回】 提案、旅の新様式 星野リゾート・コロナ禍のマーケ思考(2)
【第8回】 顧客は戻る! 星野リゾート・コロナ禍のマーケ思考(3)
【第16回】 夏の観光需要は予想以上 withコロナと星野リゾート(1)
【第17回】 スマホで回避、温泉の混雑 withコロナと星野リゾート(2)
【第18回】 県境ではなく商圏で考える withコロナと星野リゾート(3)
【第19回】 3密は回避、地元とは密に withコロナと星野リゾート(4)
【第6回】 「教科書」存在せず 星野リゾート・コロナ禍のマーケ思考(1)
【第7回】 提案、旅の新様式 星野リゾート・コロナ禍のマーケ思考(2)
【第8回】 顧客は戻る! 星野リゾート・コロナ禍のマーケ思考(3)
【第16回】 夏の観光需要は予想以上 withコロナと星野リゾート(1)
【第17回】 スマホで回避、温泉の混雑 withコロナと星野リゾート(2)
【第18回】 県境ではなく商圏で考える withコロナと星野リゾート(3)
【第19回】 3密は回避、地元とは密に withコロナと星野リゾート(4)
“不安要素”は館内入り口でブロック
星野リゾートが展開するサブブランドの「界」は、「王道なのに、あたらしい。」をテーマとする、これまでの日本にはなかった全国展開の温泉旅館ブランド。施設は50室未満が多く小規模で、各地の伝統工芸や芸能などが楽しめるアクティビティ「ご当地楽」、その地域ならではのしつらえを施した「ご当地部屋」など、地域に根ざしたもてなしを特徴とする。2020年8月現在、国内で16施設を展開し、星野リゾートのサブブランドの中では最も施設数が多い。
日本屈指の温泉地・静岡県伊東市にある「界 伊東」は、全館源泉かけ流しの美肌の湯を堪能できる温泉旅館。1分間に600リットルを湧出する自家源泉を備え、その温泉を大浴場はむろん、各客室、屋外プールにも利用している。弱アルカリ性の泉質は「温泉が初めての小さな子供にも安心だ」と聞いて訪れる子連れの宿泊客が多く、界ブランドの中ではファミリー旅館としての位置づけだ。
界 伊東では、20年3月の最終週くらいからキャンセルが相次ぎ、4~5月はほぼ客足が途絶えた。復調の兆しを見せたのは、6月19日に県外移動自粛が解除されてから。徐々に戻りつつある宿泊客を迎えるためのコロナ対策に抜かりはない。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。