新型コロナウイルスはビジネスの世界に大きな変化をもたらしている。国民が「動かないこと」を強いられているだけに、観光業はその影響をまともに受ける業種の1つ。そうした状況下で、星野リゾート代表の星野佳路氏は復活に向けどんな構想を抱いているのか聞いた。(取材日は2020年5月13日)

星野リゾート代表の星野佳路氏
星野リゾート代表の星野佳路氏

世の中は完全に元通りになる

 この先、新型コロナウイルス感染症に対する治療薬やワクチンができたとしても、以前のような社会には戻らない――。そのように、現在の状況は“不可逆的”だと考える経営者や専門家は多いと聞く。先行きの見えない中、誰もが手探りで「ニューノーマル(新常態)」を模索中だ。では、インバウンドで活況を呈していた観光業界はこの先どうなると、星野氏は考えているのだろうか。


星野佳路代表(以下、星野) そもそも私は新型コロナ禍の影響を不可逆的だとは考えていません。過去にも人類は何度もウイルス感染に見舞われています。例えば、毎年、英国や米国などではインフルエンザによって多くの方が亡くなっていますが、現在はワクチンもあり、人々はウイルスを許容しながら共生しています。新型コロナウイルスも、やがてそういったウイルスの1つになり、ある程度感染が進んで治療薬やワクチンが出てきた段階で、完全に“元に戻る”と思っています。

 新型コロナウイルスの感染拡大で「世の中が変わってしまう」と思う気持ちは分かります。しかし、そんなことはありません。ただ、元に戻るまでに1年や2年という期間はかかるでしょう。当然、その間はインバウンド需要は戻ってきません。ただ、もともと日本の観光市場でインバウンドが占めていた消費額の割合は全体の17~18%ほど。日本の観光消費の大半は、日本人による日本国内の観光でもたらされています。

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