新型コロナウイルスの感染拡大で多くの産業が危機に見舞われている。中でも観光業への打撃は深刻で、星野リゾートも例外ではない。このような危機的状況を前に、“リゾートの革命児”、星野佳路代表はいかなる思考と戦略で立ち向かうのか。3回にわたってお届けする。(取材日は2020年5月13日)

星野リゾート代表の星野佳路氏
星野リゾート代表の星野佳路氏

1年~1年半のスパンでものを見る

 日本国内で新型コロナウイルスの感染が最初に報告されたのは2020年1月のこと。その後、瞬く間に感染は拡大。社会経済にも重要な影響を及ぼし、2月には愛知県の旅館が、新型コロナ関連による最初の経営破綻に見舞われた(破産手続き開始決定は3月30日)。5月半ばの時点で新型コロナ関連の倒産は全業界で150件以上に上り、このうち営業停止に追い込まれた約60件の半数以上を占めるのが、「ホテル・旅館業」だ(帝国データバンク調べ)。このような厳しい逆境の中にあって、星野リゾートはどのような対策に取り組んでいるのだろうか。


星野佳路代表(以下、星野) 20年1月当初、新型コロナウイルスによる騒動は3月中には収束に向かうだろうと思っていました。その後、そうでもなさそうだ、と思い始めたのは3月20日すぎのこと。そこでまず収束までの期間を1年~1年半と想定し、それに伴って計画を立てることにしました。

 武漢やニューヨークなどの都市が完全にロックダウンしたように、短期的には強い自粛が必要になります。そのような状況を見れば、誰もが悲観的になるでしょう。ただ、経済と感染拡大防止を両立させることは社会にとって重要ですから、やがてそのような流れになっていく。そこで目先の対応だけにとらわれず、1年~1年半のスパンで物事を捉えようと考えました。

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