アップルが最新のMacBook Airを発売した。MacのモバイルPCの中では比較的手ごろな価格が魅力だった“Air”が、基本仕様モデルでは前の製品に比べて3万円高くなった。新型MacBook Airに、価格以外の要素で多くのユーザーを引きつける魅力はあるのか。実機をレビューしながら確かめた。

新しいデザインをまとい、薄く、軽くなった2022年モデルのMacBook Air。新しい独自半導体「Apple M2」を搭載し、処理速度もアップ
新しいデザインをまとい、薄く、軽くなった2022年モデルのMacBook Air。新しい独自半導体「Apple M2」を搭載し、処理速度もアップ

刷新されたデザインのメリット

 MacBook Airは2008年の誕生以来、パネルを閉じた本体形状が先端に向かって鋭利にとがる「ウェッジシェイプ」をトレードマークとしてきた。22年7月15日に発売された新型MacBook Airは、約14年半ぶりに刷新したデザインが1つの大きな特徴だ。

 パネルを閉じると全体にフラットな形状の本体は、厚さ1.13センチ、重さ1.24キログラム。20年11月17日に発売された1つ前のモデルのMacBook Airよりも薄く、軽くなった(前モデルは厚さ最大1.61センチ、重さ1.29キログラム)。感覚的にはキーボードケースを付けた12.9インチのiPad Proに近いといえる。

本体の厚さは1.13センチ。全体が均一に薄いデザインになった
本体の厚さは1.13センチ。全体が均一に薄いデザインになった
新色のミッドナイト。ブラックのようにも見えるが、光を当てると濃紺に輝く
新色のミッドナイト。ブラックのようにも見えるが、光を当てると濃紺に輝く

 13.6インチのLiquid Retinaディスプレイは上部中央、FaceTime HDカメラユニットの部分にノッチ(切り欠き)を設け、フレームの限界まで画面領域を広げた。このノッチのあるデザインがiPhone 13シリーズをほうふつとさせる。新MacBook Airの場合、OSやアプリケーションのメニューがノッチの左右に表示される。WebページやExcelのスプレッドシートを開くと、一画面に表示されるコンテンツの情報量が少し増えるメリットがある。

ディスプレイ上部中央、カメラユニットを搭載する箇所を切り欠いた13.6インチのLiquid Retinaディスプレイ。切り欠きの左右にOSやアプリケーションのメニューが表示されるため(赤枠で囲った部分)、表示をスクロールせずに参照できるコンテンツの情報量が増える
ディスプレイ上部中央、カメラユニットを搭載する箇所を切り欠いた13.6インチのLiquid Retinaディスプレイ。切り欠きの左右にOSやアプリケーションのメニューが表示されるため(赤枠で囲った部分)、表示をスクロールせずに参照できるコンテンツの情報量が増える

独自設計のチップ「M2」で処理能力が向上

 デバイスの頭脳には、アップル独自設計の半導体である「Apple M2(以下、M2チップ)」を搭載。その処理性能は、前モデルで採用された初代「Apple M1(以下、M1チップ)」に対して最大1.4倍の高速化を実現している。

 Microsoft OfficeやアドビのAdobe Photoshopに代表される、ビジネスやクリエイティブ用途の定番ソフトは、既にアップルMシリーズのチップを載せたMacに最適化が済んでいるため非常にスムーズに動く。またビデオ編集・加工アプリの「LumaFusion」のように、MacにダウンロードできるiPad/iPhoneアプリも少しずつApp Storeに増えてきた。

MacのApp Storeから購入できるiPad/iPhoneのアプリも徐々に増えてきた
MacのApp Storeから購入できるiPad/iPhoneのアプリも徐々に増えてきた

 新MacBook Airによる動画の編集や書き出しについては、動画処理に特化した「メディアエンジン」と呼ばれる回路を搭載したことが、作業効率の向上に大きく寄与している。iPhoneで撮影した動画をMacBook Airで簡易編集し、ファイルに書き出すまでの速度を比較したところ、M1チップを搭載したMacBook Airの約半分の時間で完了した。昨今はちょっとした動画を資料やプレゼンテーションの素材としてビジネス活用する機会が増えていることから、この進化は仕事で使うビジネスパーソンにとって恩恵があるだろう。

 本体の冷却システムに空冷ファンを使わないファンレス設計は、M1チップ搭載MacBook Airから受け継がれている。“静かなMacBook Air”は、負担のかかる処理を実行しても「ファンが回る」ことがないスマホやタブレットに親しんできた若年層にも歓迎されそうだ。M2チップは省電力設計であることから、フル充電からの連続使用も最大18時間というバッテリーのスタミナも頼もしい。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
8
この記事をいいね!する