サングラスのような見た目のスマートグラス「Nreal Air(エンリアル・エアー)」を、2022年春にNTTドコモやKDDIが発売した。コンパクトで軽量、メガネと変わらない快適な掛け心地を実現したNreal Airはどのようなスマートグラスなのか。実機を試し、スマートグラスが切り開くビジネスやサービスの可能性を探った。
軽快な装着感。映像も明るく見やすい
「Nreal Air」は2017年設立の中国のスタートアップ、Nreal(エンリアル、北京市)が開発したメガネ型のディスプレーデバイスだ。NTTドコモのオンラインショップでは3万9800円(税込み)で販売されている。
Nreal AirはスマートフォンとUSB Type-Cケーブルで接続して使う。初期設定のため、Android対応の専用アプリ「Nebula」が必要になる。このアプリが使える端末が限られている点には注意が必要だ。対応機種はNrealのWebサイトで公開されている。なお、初期設定を済ませれば、iPadやMacBookにつないでNreal Airを外部ディスプレーとして使うこともできる。
映像はフレームに内蔵するマイクロサイズのプロジェクションユニットから、レンズ部分に配置されたシースルータイプのハーフミラー層に投射して表示する。視覚的に130インチ相当の大画面が見られる。対応視野角は約46度となっている。
フルHD解像度のディスプレーは明るく色鮮やかだ。標準的な明るさの室内であれば、ディスプレーの輝度を調節しながら十分な視認性が得られる。さらに本体付属のライトシールドをディスプレーの手前に装着すれば、より明るい場所でも映像が楽しめる。
本体は約79グラムと軽いので、長時間身に着けていても疲労感は少ない。ユーザーの顔の形に合わせてノーズパッドのサイズを交換すれば、フィット感を細かく調整できる。
筆者は視力が弱いので、裸眼のまま本機を装着すると映像がぼやけて見えない。アクセサリーとして視力補正用レンズフレームも同梱されているが、これを装着してもまだシャープな映像が見られなかった。そのため、メガネの上にNreal Airを装着する以外、チェックする方法がなかった。視力の個人差に合わせて最適化できることは、スマートグラスにとって大事な「ヒットの条件」ではないだろうか。
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